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味探検Notes 矢倉沢往還 お酢の話

生きている酢の力を提供しつづける 

 大中酢の3代目・中村宏さんから、こんなにも手間がかかりコストの合わない酢を作りつづけるのは、酢を作り出す微生物たちのことを知れば知るほど、不思議な酸っぱさの世界にはまっていくという。合成酢では味わえない、おいしい手作り酢の本物のよさをお客さんに知ってもらいたいという「心意気」を聞いた。「大企業に負けない精神力」でもっているのだそうだ。

 大中酢の製造の方法や、酢についてのミニ知識を同店のパンフレットから転記しておこう。

 

@純醸造 松田町推薦 ダイナカ酢

 

 おいしい酢は自然、生命への愛情と

 すぐれた職人の腕から生まれます

 元気で生きている酢……大中酢(生詰)
 100%手造り醸造!

 生命のはじまりに水があり酸がある。
 味をつくる生命も、そこに生まれる。
 体に生命がやどる時、酸味を求めるゆえんです。
 この生命の源である酢にあらん限りの情熱を注ぎ、最高品質の食酢を小さいながら造り続けている大中酢店。


 丹沢山地、最南端に位置する温暖な山と川の町、松田。その清き水と足柄平野の米をもとに「酢酸菌」という微生物にとって最適な環境(今では稀な木桶、土倉、コモ)の中で、ゆったりとした生命の時間と季節に合わせ、きびしい労働と研ぎすまされた職人の勘と技、そして独特の発酵法にて一切の手抜き妥協を排し、手間、暇をかけ流行に左右されず仕込んでいます。
 このようにして、創業昭和5年以来、種酢から種酢へと鍛え育てられた、美味しくてたくましい菌が入っていますので、この生きている元気なお酢を、そのままお使いいただけます。
 防腐剤、加熱処理は、もちろんミクロフィルター処理もしてません。(当店のみの技術)
 また、料理や健康への効用*も、このようなもとで初めて可能となります。

 では、くせのない、まろやかでこくのある味、本物の酢の味、酢の力*を是非おいしい料理と健康にお役立てください。
 *=雑菌に対する力、調味力、素材への浸透力と持続性、健康作用)

 

●製品

純生米酢

 特色=玄米は使っていません。最良の発酵とほんとうのうまさのために。

 用途=お寿司をはじめ、どんな料理でも。サワードリンクから梅、ラッキョウ漬け、酢卵まで。

 容量=1.8リットル。720ミリリットル。

純生粕酢(全国唯一)

 特色=原料は酒粕。長年とだえていた幻の酢。4年余りの歳月がかかり、もっとも難しい技術を要するため限定醸造となります。

 用途=すべての素材に。ソース、しょう油、ドレッシング等の代わりに。他では味わえぬおいしい珍味。

 容量=1.8リットル。720ミリリットル。

 

●購入方法 大中酢取扱店(遠距離の取扱店は多少割高になる場合もあります)直接購入(来店、発送……定価+送料)

○注文は、なるべくハガキで、お問い合せは電話等でお願いします。(種類、数量、送り先、ご依頼人の住所、氏名、電話番号)
○当店の酢は、沢山はできません。また、すぐに造れませんので、仕込と仕込の間に品不足となり発送が遅れることがありますのでご了承ください。
○時に、ニゴリ、寒天状の浮遊、被膜、又、沈殿物ができることがありますが、再発酵によるもので、品質には変りがありません。

自然と人にやさしい暮らしのために

醸造元  大中酢店 責任者 中村誠一
〒258 神奈川県足柄上郡松田町神山89―10
TEL 0465-82-0032

A 大中酢の特色と正しいお酢の知識

 お酢が出来るには次の3つの過程が必要です。@糖化 A酒精発酵 B酢酸発酵A.玄米は酢の原料に適さない
 酢の製造過程には米の糖化があります。糖化とは、米がコウジ菌によって甘酒になることです。糖化には高純度のデンプン質が含まれている白米部分が必要です。本来、栄養価の高い胚芽やヌカに含まれているタンパク質や脂肪等は糖化の妨げとなり、それらがあると十分な糖度が得られず、酢酸発酵に悪影響を及ぼします。玄米酢の職人はこの事を知っていながら、今日の自然、健康食ブームに合わせてイメージの高い玄米を使っています。
 酒の製造にも良質な白米が必要であり、玄米は使われていません。
B.アルコールの使い方しだいで良くも悪くもなる
 どんな酢の製造過程にもアルコールを原料とする過程があります。
「アルコールは、添加物としてではなく、最終的に酢に変化させるものとして使われています。そのため、製品にアルコール分が残っていては良い酢とは言えません」
 米→甘酒→モロミ発酵の順で造られるアルコール(日本酒等の)の純度は15〜16度で低いですが、当店が使うアルコールは食品加工用発酵アルコールで、米と同じ穀物*(砂糖キビ、トウモロコシ)から糖蜜を経て発酵、蒸留を繰り返して製造されたものであり、95度の高純度を保っています。(*石油から取れるナフサとは違います)
 この不純物の少ない高純度のアルコールを使用すると、酢酸菌にとってよりよい発育環境か保だれます。高品質の酢を造るには、このアルコールと勝れた発酵技術と手間ひまのかかる天然長期醸造が必須です。不純物は酒の旨味となりますが、酢にはマイナスに働きます。
 高純度のアルコールを使っても、機械を使い薬を添加して短期間に強制発酵(1〜2日間)させる速醸法の場合、安い酢が大量にできますが、酢酸菌は生命力を弱め、次の仕込みの種酢とならない使い捨ての菌となります。この場合、酢は味、香り、酢の力のない、ただスッパイだけの工業用酢酸と変わらぬものとなるため、化学調味料等の添加物を用いておいしさをだすことになります。しかし、味、香りはだせますが、酢の効用についてはこのようにはいきません。
 酒の製造(モロミ発酵によるアルコール)から始まる純米酢等(原料表示が米のみ)の製造の場合でも、この速醸法を用いれば同じ結果になります。

C.最適な発酵期間
 生物には元気に活動できる季節や期間がありますが、酢酸菌についても同じです。発酵期間が必要以上に長いのは、発酵が良好に行なわれていない証拠であり、まだ良好でも長引くと酢が加水分解して水になってしまいます。当店での発酵期間は、米酢の場合は2〜3ヵ月(原則として春秋の2回)、粕酢の場合は約1年です。

D.黒酢とは
 黒酢は、天然醸造ではありますが、素焼きの壷に玄米(黒米)とコウジと水を入れて出来上がるのを待つだけの原始的発酵法で製造されています。この方法は、3つの過程(糖化、アルコール発酵、酢酸発酵)が行きつ戻りつしながら同時進行します。そのため、コウジ菌、酒精菌、酢酸菌のそれぞれの最適な環境(例、それぞれ60度、10度、28度)が他の菌にとってマイナスとなり、良好な発酵は得られず酸度も上がらないまま発酵がだらだらと長くなり、良質な酢酸菌は育ちません。そのため黒酢はとても手作りのものとは言えません。

E.静置発酵は必ずしも良いとは限らない
 静置発酵は、本来、発酵液を動かさずに表面で静かに時間をかけて発酵させる方法であり、液中に空気を吹き込み、機械でかきまぜながら短期強制発酵させる速醸法等の通気発酵に対する方法です。この場合、触液面を広くして発酵期間を短縮できますが、味、香、酢の力を育てる時間を短くしてしまうことになります。当店では、深い大桶でゆっくりと育てています。

F.コモ、ワラに囲まれた木桶(発酵用)  コモ、ワラはポリタンクやホー口ータンクより抗雑菌力や湿度、換気等の自然調整力が勝れています。長年、鍛えられ引き継がれてきた酢酸菌の精が木肌にしみ込んでいます。

G.生きているお酢………酢酸菌が生命  お酢の善し悪しは酢酸菌にかかっています。酢酸菌は約100種類もあります。良質な酢を造るには、最良な酢酸菌を育てるためのより良い環境を整えることが大切です。生詰できるのは、ここから育った最高品質の酢酸菌のみです。それは、このような菌だけに腐敗菌に対する抵抗力が育つからです。弱い酢酸菌では、防腐剤の使用、加熱殺菌またはミクロフィルター除菌をしなけばならないのですが、この場合でも製品の表示は「生」となっています。もちろん死んだ酢酸菌が入っていたり酢酸菌が入っていない酢は、酢の効力がありません。大中酢は生きた高品質の酢酸菌が入っているので、「純生」なのです。

H.最後の決めては職人の腕と信念   天然醸造で製造した酢でも、職人の技術によって製品に差があります。手間ひまかけなければ良い酢はできません。当店は創業(昭和5年)以来失敗と工夫を積み重ね、磨ぎ澄まされた勘と独自の秘伝的醸造技を見出だしました。この技は、職人の誇りと自然への愛情のたまものです。

I.美味しくなければ良い酢ではありません
 どんなに良い原料を便っていても、美味しくなければその製品は不良品です。お酢は、まずくても飲む薬ではなく、おいしい食生活のための食品です。
 おいしさの中には、それぞれの食品に特有の健康維持作用があります。まずいということは食品として不完全であり、造られる過程になんらかの問題があります。これではその食品の役割は果たせません。
 美味しい味、芳醇な香りのある優れた酢の効用は、最高の酢酸菌が最良に育てられた結果得られたものです。
 当店では、特別な薬じみた自然健康酢を造っているのではなく、最高のお酢を造っています。

☆酢の効用(効力)とは?
 『雑菌に対する力、調味力、素材への浸透力、健康維持作用』です。
 特にしめアジやお寿司を作るとその効果がわかると思います。

J.純醸造について
 本来、醸造酢とは、工業用酢酸をうすめて造った発酵過程のない合成酢に対してつかわれる表示ですが、実際は上記で説明してきましたように、原料は米等を用い、発酵させていても、その過程は短縮又は手抜きされて、とても、醸造酢とは呼べない製品が現規格では通用してます。本当の醸造を造っている当店の誇りから「純」醸造としました。
 お酢を選ぶ目安は、知識よりまずはおいしさ、次に元気に生きている酢酸菌。これを可能にするものは、原料よりすぐれた技術と信念そして正しい作り方。
 JAS表示は原料を示しているだけで、製品の良さはわかりません。
 大中酢をおいしい料理に活かしてもらえたら、作り手としてこの上ない喜びです。

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