往来物に含まれる「魚字尽し」研究メモ

○その1―往来物「魚字尽し」の一例

 

16―安永8年『幼学字盡 寺子往来』(謙堂文庫蔵本)(てらこおうらい)

 

もくじ16-001/002/003|16-004/005|17-001/002

 

004-01

  けやき さん

くい

たこ

 

そん

 

海月

くらげ

  そう ばい
  もく あさり 馬刀

 

うくい

  泥龜 すつほん

あかかい

  まつ

しゞミ

  むめ

螺也

たにし

さゞい

かき

  さくら

はまくり

  たけ なり

たいらき

あわび

    やなぎ さて

〔注〕16-004-01-1(4) [虫+咸]という字などないのだが、鰔(うぐい)を書こうとして、前頁に入りきらなくて、虫偏のグループに書き加えるときに、フトした拍子で魚扁を、虫偏にして書いた、というようなことかもしれない。こういう字形は、明らかに影陰では、虫偏を書いているだけに、「鰔」が正しいから、魚偏に書き直して翻刻をするというのもヤボなこと。本作りの過程で生まれた人間的なミスが、そのまま現代に伝わってくるのを読み取るのは、刊行時の、製作者たちの息遣いが聞こえてくる、ということもいえなくもない。

〔注〕16-004-0-

 

004-02

 

005-01

 

005-02

前略

〔奥付〕

安永八丁亥年初秋

本問屋 江戸屋油町
榮邑堂 村田屋治郎**蔵板

 

本サイトは、往来物に含まれる「魚字尽」の主要なものを、小泉吉永氏のご協力により、小泉吉永氏所蔵及び往来物データベースに含まれる図書館・大学・個人蔵の原文複写画像からMANA(中島満)によりできるだけ忠実に翻刻しネット上で活字に写したものです。類似研究資料がなく、小泉吉永氏や関係者に翻刻内容や注釈内容についての意見交換をするためにネット上にのせたもので、すべて未定稿であり、メモとしてのせているもので、内容は毎日変更があります。このため、内容テキスト及び画像の一部利用、複写、リンクはすべて禁止といたします。

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