往来物に含まれる「魚字尽し」研究メモ

○その1―往来物「魚字尽し」の一例

 

13―享保17年刊『俗字指南車』(小泉蔵本)―(筆海重宝)ぞくじしなんしゃ・ぞくじしなんぐるま

 

もくじ13-001|13-002|13-003

 

002-01(二十六丁裏)

 

さわら

たい

 

ゑふな

沖津

尼鯛

干鯛

塩鯛

濱炙

生鯛

鮮鯛

龍鯛

尨魚

烏頬魚

〔ルビ〕

をきつたい/あまだい/ほしだい/しほだい/はまやき なまたい/たい/くろたい/同/すみやきだい

かく

くじら

はまち ふつ

ぎよ

北国に

るい

さより

かみなりうを

   。

あり 奥州に

まなかつお

ぼら

うなぎ

初鯔

明吉

鯔魚

伊勢鯉

はゼ/みやうぎち なよし/いセこい

すずき

はも

こい

ふな

 

002-02(二十七丁表)

 

 

にべ

ぶり

からすみ

 

どちやう

烏賊

いか 鰊鯑

かずのこ

ます

かつほ

 

江豚

韶陽魚

松魚

 

字正

鱠殘魚

きすこ

からざけ

魚子

はらゝご

王餘魚

いいたこ

鰹節

かつほぶし

鹿

細螺

なまず

うるめ

海月

くらげ

あぢ

おごセ

にしん

ふか

生海鼠

せいご

かなかしら

このしろ

とびうを 方頭

海老

えび

あさち

たら

 

左訓

はうほう

E

かます

 

 

いセえび

〔注〕13-002-02-1(8) イルカの同字として「鰻」とあるが、イルカと訓む用例を知らない。何かの字の写し間違いか。あるいはMANAの読み違いか。要検討。

〔注〕13-002-02-3(12) ツクリをすなおに読めば、[謡−言]だが、表記字とした。

〔注〕13-002-02-4(12) 右ルビ文字の「 ?」がかすれて判読ができないが「な」か「か」だが、E魚とよめるから、「かます」でよいのだろう。 次行第1字[魚+刷−リ]、第2字[魚+朋]に近いが、要検討。カマスからつくりの字形を探れば、第1字が[市]あるいは[帀]、第2字は[臼](キュウ)が該当しそうだ。なお、この字の項から「からざけ」まで加工品(調理品)の名がつづく ことに何か意味があるのか。

〔注〕13-002-02-6(6) 細螺は、「同」とあるが、貝類のシタダミ、【物類称呼】に「きさご」とある。「きすご」と「きさご」を「同」とするところが、かえって、編者の俗字の整理の仕方の特徴が出ておもしろい。

〔注〕13-002-02-8(1) [魚+免]にべ。〔注〕13-002-02-4(12)参照。

 

もくじ13-001|13-002|13-003

 

本サイトは、往来物に含まれる「魚字尽」の主要なものを、小泉吉永氏のご協力により、小泉吉永氏所蔵及び往来物データベースに含まれる図書館・大学・個人蔵の原文複写画像からMANA(中島満)によりできるだけ忠実に翻刻しネット上で活字に写したものです。類似研究資料がなく、小泉吉永氏や関係者に翻刻内容や注釈内容についての意見交換をするためにネット上にのせたもので、すべて未定稿であり、メモとしてのせているもので、内容は毎日変更があります。このため、内容テキスト及び画像の一部利用、複写、リンクはすべて禁止といたします。

copyright 2002〜2004,manabook-Mitsuru.Nakajima 


 HOME 真名真魚字典