往来物に含まれる「魚字尽し」研究メモ

○その1―往来物「魚字尽し」の一例

 

12―正徳6年『童子字尽安見』(小泉蔵本)―ドウジジヅクシアンケン

 

もくじ12-003|12-004|12-005/006/007

 

004-01

海燕

たこのまくら 郎君子

がい

えぼしかい

沙狗

すながに

すつほん

かめ

   

鼈甲

べつ

かは

(六)  

海膽

武文蟹

たけ

かう

がめ

蟲介門 ちう
車渠

 ほたてがい ぶん

玳瑁

たい

いし

かい

奇蟲

がうな

がに

まい

がめ

もん
文蛤

いたやかい

あわび
蟹と成ルト云/甲人の面にして其形チ恐シ 摂州にあり秦ノ武文が霊/海中にととまり
 

かに

鱗無シテ甲有ル類ヲ介トス 足有ルヲ三ツ蟲

足無ヲ虫トス

 

 
石のもとには升リ侍たる寄虫のから充満たり 石の上へ升つむれば天上に至といふ其 越中の海中に高サ三丈余の大巖ありその
 

しゞみ  

かぶとがに

 
 

からすがい

かき  

しまがに

こしかたがめ  
 

 たいらぎ

馬刀

 

がざめ

 
   

 
 

かにしほから

法螺

ほらがい

 
 

淡菜

みるくい

あかゞい

がめ

   
 

 わすれかい

栄螺

さゞい

海螺

さゝい

 

浮龜

うきゝ

   
 

 

 

   

 

     

 

     

 

 

 

 

   

 

004-02

蝦蟇

かいがら

藪に入て竹にまとひて一時ばかりして死す予生国にして当マサニ是を見たり珍事なれは爰記

田にしの口あきたるにかの蛇のはうを入りぬ田にしふたをかたくしむる蛇大ヰニ苦しみ より大きし或時六尺余りの蛇蛙を求んとてかの井に到り水中をさかすにおりぬし

石蛤

いしはまぐり

よめがさら 

厭甲

かいのふた

貝子

たからがい

ひきがへる
説にして此話の蛤石砂にしてもなし 弘法大師の封じ玉フといふ俗 土佐の国安喜郡にあり

青蛙

あまがへる

かにのかう

こやすがい

かめのかう

黒蝦蟇

つちかへる

真珠

かいのたま

きさご 

腹にあり

 

是門にふ及して一統ニ記ス

@珠ハ皮にあり鼈珠ハ足にあり

珠ハ

龍珠ハ頷にあり蛇珠ハ口にあり魚珠ハ眼にあり

 

辛螺

田螺

 

 

 

 

 

 

 

はまくり

かはづ
といふと也

ば海上に城生ス是を乾闥婆城

南海に大蛤あり旭に向て息をはけ

 

蝌斗

かいるこ

 

蟾酥

ひきのあふら

 

此井に田螺あり岩 といふ所に古井有 遠州横須賀小谷田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔注〕12-004-02-1( 1) 「よめがさら」とよむのでよいであろう。ヨメガカサという小さな巻貝のこと。

 

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