いんたーねっとうをじづくし今様魚字尽


往来物に含まれる「魚字尽し」研究メモ

○その1―往来物「魚字尽し」の一例

 

4―寛文頃『萬字盡』(東大蔵本)

 

もくじ4/001-002←|4/003|→4/004

 

4-003-01

熨斗

たこ かい 鰊鯑 かどのこ

にしん

なよし かまつか

のか

なまず

たい

王餘魚

 

 

 

 

たら

どせう

 

らげ

 

たちう

わに

かます

うるめ

田中螺

 

 

かつを

うなき かき

かいらぎ

 

4-003-02

あいきやう

こいち

こち

ふり

こい

ふく

鮟鱇

あんかう

ふか

海鼠腸

ふくべ

馬蛤

まて

あご

あぢ

韶陽魚

江鮭

あめ

あふらこ

わた

あぎと

このしろ

ふな

あはび

あさじ

 

注4-003-01-4(8):[魚+亶]うなぎ。ツクリの書体はほぼ楷書にちかい字体で[西/且]に作る。[魚+亶]と[魚+覃]の字体の崩し字の書写の際に、かって読みによって作られた文字と思われる。ウナキの魚名訓みを与えており、[西/且]の下の字形「且」あるいは「旦」を書いているということは、[魚+亶]を誤って書き記した文字とみてよいのだと思われる。あるいは、誤ってではなく、この版本の書写(原稿執筆者)の癖かもしれない。「魚尽」につづけて載る「鳥尽」冒頭から2行目に、「[亶+鳥]はやぶさ/隼」についても、[亶]は[西/且]に書いている。また、「西/且」ないし「[西/旦」を当て字で書いたとしても、「亶」の崩し字とほぼ同形となるので、ウナキに読ませる字体は翻刻に際しても[魚+亶]としてよいのだろう。こんなことは、近世文書を読む際にはあたりまえのことなのかもしれないが、初めて読み進めるものにとっては、頭を悩ませてしまうことなのであり、整理のために、あえてメモとして記しておく。

 

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本サイトは、往来物に含まれる「魚字尽」の主要なものを、小泉吉永氏のご協力により、小泉吉永氏所蔵及び往来物データベースに含まれる図書館・大学・個人蔵の原文複写画像からMANA(中島満)によりできるだけ忠実に翻刻しネット上で活字に写したものです。類似研究資料がなく、小泉吉永氏や関係者に翻刻内容や注釈内容についての意見交換をするためにネット上にのせたもので、すべて未定稿であり、メモとしてのせているもので、内容は毎日変更があります。このため、内容テキスト及び画像の一部利用、複写、リンクはすべて禁止といたします。

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