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発刊案内!! 2006年 10月20日発売

[季刊里海]創刊号

「里海マガジン」=特集2=内容メモ

海は誰のものか

検証ーダイビングスポット裁判

とは?

―土地(森)と水と海の 所有と利用と管理のメカニズムに迫る徹底討論―

 見かけはむずかしそうだけれど、読み終えると、現代の自然領域と人間の経済社会的かかわりの根元とは、こういうものであったのか!日本には“コモンズ論”以前に所有と利用と管理のシステムが熟成していたことを知るであろう。現代社会に、この日本的総有システムの構造を再評価し、生かすべく取り込む工夫をみんなで考えようではないか!これが座談会の参加者達の結論であった。


 漁業権水域における地元漁協や漁業者団体が行うダイビング事業等による潜水料等名義の水面利用料徴収の法律的な根拠と漁業権の法的性格の意味を徹底検証した画期的な 座談会です。

 静岡県沼津市大瀬崎ダイビングスポットの潜水利用券を地元漁協が徴収する法律的な根拠はなく、それまでに徴収された金員の返還と詐欺により徴収されたことにたいする損害賠償請求の裁判が提訴されたのが平成5年であり、静岡地裁沼津支所判決では、潜水利用料の法律的根拠を認めた漁協側が勝訴。提訴したダイバー関係事業経営者が上告した東京高裁では、上告者勝訴(漁協川敗訴)。漁協側の上告による最高裁では審議不尽により東京高裁差戻しとなり、差戻し審となった東京高裁では、ダイビング行為を漁業権侵害にあたるとし、漁協の潜水料徴収も妥当であるとの判決となり、平成12年12月の差戻し審判決で結審し ました。

 この7年にわたる大瀬崎DS裁判について、民法学者(池田恒男 ・龍谷大学教授)、元水産庁長官(佐竹五六氏)、弁護士(新里秀範氏、成田健治氏)、ダイビング事業団体役員(河合正典氏)、漁業権研究者 (ふるさと東京を考える実行委員会事務局長)田中克哲氏のほか、全漁連、地元漁連担当者らが、裁判判決がもたらした意味と今後の対応などを徹底議論した座談会の記録を 、わかりやすく整理編集した。 内容面で難解な漁業権や入会権・慣行についての用語や近代農林漁業制度史に関する主要事項についても編者により〈注記〉がされ、現代の沿海地区における利用のルールを地域で創出していくためのキーが、見出されるはずです。

 海の利用と管理については、近年、漁業利用や港湾、海岸管理と国民の海洋性レクリエーション(海レク)利用との調整をどのように行うかについて議論が高まっているが、本書は、このような議論のなかで、海沿いに居住し営業する漁業者や住民の地先利用の慣行や自主的 ・自治的に築き上げていくルール(「ローカルルール」という新しい言葉を使うことにしました)の存在に着目して、ダイビングスポット裁判の判例検証やこれまでの研究成果に基づく法解釈をベースに、海の利用の今後の方向について、より具体的な実際的課題を提起している点が大きな特徴となってい ます。

 平成の自治体大合併後の、地域、地方の市民と地方自治体の役割に眼が向けられているときに、だれのもの(所有物)でもない「公共用水面」で、繰り広げられた、沿海地区の産業的な担い手である漁業者と漁業組合や地域自治会、新規参入の観光事業者団体に自治体が、地域外から海へのアクセスを希望する普通の市民の人々が安心して安全にダイビングのようなマリンレジャーを楽しめるようにと年月をかけて築き上げたルールの重みを、裁判所も認めた結果の判決の内容は、海面だけでなく、陸上における水辺の利用やまちづくりにも生かせる意義をも提起しているのではないかと考えています。

 主な内容・目次はつぎのとおりです。

プロローグ―ルポ「大瀬崎ダイビングスポット」

第1編 座談会・徹底検証―大瀬崎ダイビングスポット裁判

@裁判の経緯と問題の所在

A裁判判決の検証と地先権について

B「生ける法」、慣習的ルールについて

 ―以下次号―

C海の管理利用条例について
D漁業権侵害と市民の海の利用

E判決後の対応はどうするべきか

 

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Blog版[季刊里海]通信

 

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「ローカルルールの研究―海の『守り人』論2―ダイビングスポット裁判検証から」 佐竹五六・池田恒男他著

 

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「くりさんの水産雑学コラム100」栗原伸夫著

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