ぶらり街道の味探検 にようこそ


秩父の食文化を見つける会 機関誌「花暦」より

はなごよみ・もくじ

bP―特集 秩父のお菓子やさん

    秩父の水@

bQ特集 秩父のお豆腐屋さん

    秩父の水A

以下sorry  underconstruction,

bR―特集 お好み焼き屋さん

    秩父の水B

bS―特集 秩父のおそば屋さん

    究極の味・酒@

bT―特集 秩父のおそば-第2弾

    究極の味・酒A

bU―特集 秩父のおそば-第3弾

    究極の味・酒B

bV―特集 昔懐かしい食堂

    究極の味・酒C

copyright 2002,hanagoyomi.tuneo ozawa 

 

HANAGOYOMI

第2号

平成5年8月1日発行 

 

特集 観光客には教えられない!! 

水清き秩父の豆腐

 

 「山紫水明の地、しかも独特の文化を色濃くとどめる秩父のトーフはうまいに決まっている。」誰かがいうと皆大きく頷いた。
 早速、食文化の会の中から6名が選出されて『秩父豆腐探検隊』が組織されたのであります。
 豆腐に関しては、江戸中期の「豆腐百珍」の現代語訳をはじめ、数々の美食本、解説本からマンガ「美味しんぼ」のバックナンバーに至るまで、手元にある資料を総動員して、その来歴製法等を研究し尽くしたのはいうまでもありません。そして、北大路魯山人の喝破したとおり、「良水に恵まれ、原料としての大豆を選択し、製法は飽くまでも機械に頼らず人力で努力」している豆腐屋さんを見つけ出すために、我が探検隊は路地裏から山のひだの間まで、秩父中に散って行ったのです。その結果恐るべき事実が明らかにされることとなったのです。
 十年前まで、秩父郡市内には、60軒もの豆腐屋さんがあったといいます。それが今では37軒。しかも年々確実に減り続けているのです。
 これはしかし、秩父に限ったことではなく、全国的な傾向です。かつてはその傷みやすさや、新鮮で生きのよさを身上とする食品であることなどから、直接製造元に出向くか、あるいは、「トーフー」というラッパを吹きつつリヤカーを引いて来た豆腐屋さんから水をいれた桶に直接もらう買い方が一般的でしたが、今ではパック入りのものをスーパーで求めるといった流通形態へ変わってしまったのです。
 町の小さい豆腐屋さんは次第に存続が難しくなり、スーパー等へ卸している店のみが生き残っていくという流れが起きつつあるのです。
 さて秩父の豆腐そのものについて書かねばなりません。
 100円というのが秩父の豆腐の相場です。他の地域と比較するとかなり安いこの値段は、秩父ではどんな売り方をしているものでも一定しています。この値段では、我々の求める国産大豆+塩化マグネシウム使用の理想の豆腐は作り得ない。実際この値段で買ったものはどれをとってもあまり大豆の味のしないものばかりでした。
 そこで国産大豆はあきらめ、せめて塩化マグネシウムを凝固剤に使用しているものを探したところ、次の2つの店がありました。
 まず、秩父市官側町の岩田豆腐の110円の(普通のものは凝固が塩化マグネシウム+硫酸ナトリムで100円)もの。そしてもう一つが、長瀞町の田野屋食品の「岩畳」という名前のやはり110円のもの。この二つは、秩父の全ての豆腐屋んから買ってきた木綿豆腐の内、豆の味が最も濃厚に味わえる美味いものでした。

秩父のお豆腐屋さんリスト【秩父の局番=0494】

浅見豆腐店   22-3229(下影森)
岡田豆腐店   22-4663(上町)
田辺豆腐店   22-0974(上町)
小門豆腐店   22-0859(中町)
平豆腐店    22-0816(東町)
今井豆腐店   22-1834(播場)
今井豆腐店   22-4101(熊木)
岩田豆腐店   22-1214(宮側)
沼尾豆腐店   22-1312(道生)
原嶋豆腐店   22-1052(桜木)
大美賀豆腐店  22-5805(仲宮地)
原島豆腐店   22-2779(相生)
大島豆腐店   22-1625(山田)
恩田屋豆腐店  22-3272(黒谷)
丸武豆腐店   23-1573(黒谷)
持田豆腐店   22-4886(大野原)
小島豆腐店   23-9610(寺尾)
佐々木豆腐店  22-2838(横瀬)
新井豆腐店   78-0304(上吉田)

出浦豆腐店   77-0165(下吉田)
山中豆腐店   77-0185(下吉田)
青木屋豆腐店  75-0584(小鹿野)
黒沢豆腐店   76-0401(小鹿野)
小池豆腐店   75-0471(小鹿野)
小出豆腐店   75-0336(小鹿野)
浅見豆腐店   79-0553(両神)
大澤豆腐店   79-0240(両神)
佐々木豆腐店  54-1020(荒川)
森豆腐店     54-1889(荒川)
木村豆腐店   55-0073(大滝)
黒沢豆腐店   56-0077(大滝)
荒井豆腐店   62-0323(皆野)
田野屋豆腐店  62-2407(皆野)
藤原豆腐店   62-2738(皆野)
井深豆腐店   66-0622(長瀞)
中畝豆腐店   66-0244(長瀞)
松島豆腐店   66-6679(長瀞)

 


 さて、豆腐の美味しさが、味そのものの他にあるとすれば、柔らかさと肌理の細かさということになるかもしれません。しかしこれについては、料理の方法や個人の嗜好によるところが大きく(本当は、食の全てに亘ってそうなのだけど)評価が難しい。ここでは、秩父の中で比較的名高い二つの豆腐を紹介するにとどめます。
 大滝中津の黒沢豆腐店と吉田町の七平豆腐こと新井豆腐店です。
 何れも他の豆腐とは形状が異なり、分厚く短くそして固いというよりは充実した感じの、いわば、存在感のある豆腐です。
 巷間聞かれるうまい豆腐というのはほとんどが、それを語る人が毎日食べている近所のものです。確かに新鮮で、よい水を使って生きのよいものは美味しいに違いありませんが、わざわざ遠出して求めるほどのものでないのもまた事実です。しかし、そうしたご近所レベルのファンが秩父のお豆腐屋さんを維持しているのです。互いに情報を交換しつつ秩父の豆腐屋さんを大切に育てて行きたいものです。
 さて、秩父豆腐探検隊の報告書の結論は、残念ながら、いまのところ観光客に胸を張って、豆腐は秩父の名物である、と誇ることは出来ない、ということになります。しかしながら、この水の良さと、秩父の豆腐屋さんたちの真摯で勤勉な姿を見れば、なにか小さなきっかけさえあれば、すぐにでも、美味しい豆腐の産地として、京都をしのぐことが出来るかもしれません……。(食狂人)


究極の水 秩父の水A

  さて、当日集めたサンプルのうち全員がいちばん美味しいと感じたのは、意外なことに水道水でした。秩父市内でも美味しいという定評のある、橋立川を水源とした水で、蛇口に小さな浄水器(フィルターではなく磁石が入った筒の中を通るだけのもの)を付けて汲んだとはいえ、成分は、まったく水道水そのものなだけに、皆驚かされました。
 もう一つの水道水は別所の貯水池のもので、不味いと言われているものでしたが、本格的な浄水器を使ったためかまずまずで、他のサンプルとはかなり性質の違う軽い味わいのものとなっていました。
 天然水の中でいちばん評価の高かったのは、吉田町の酒蔵の仕込用の水でした。瓶の上の部分ではプラスティックの臭いがしましたが、中頃になって、透明感のあるキリっとした味になり、さすが仕込用の水と感心しました。後で蔵元さんに伺ったところ、井戸から引いているパイプが増ビなのでその臭いが着いたのかな?ということです。
 秩父の天然水は、大きく3つのタイプに分けられます。ひとつは、主に秩父の東側の、青緑色の岩の地層からの水で、日本名水百選に選ばれた寄居町の日本水(ヤマトミズ)がこのタイプです。もうひとつは石灰岩の地層からの水。そしてこの2種類の水が、さらに複雑な地層を通って湧き出したのが3番目のタイプです。
 青緑色の岩の地層を通った水は一般に銘水が多いと言われます。日本水もサンプルの中にありましたが、それよりもちょっと南の、長瀞町の井戸(地名です)というところで汲まれたものの方が味わい深いものでした。また古くから銘水とされている寺や神社の水の中には環境の変化のせいか沼臭くなってしまっているものもありました。
 市販の水の大部分は煮沸してあって、生のままの天然水と比べると湯冷ましというのがよく判ります。(座敷トド)

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