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共同漁業権論―平成元年7月13日最高裁判決批判

浜本幸生 著

発行●まな出版企画 03-3319-3127(本書は書店を通しては購入できません。直接当社にご注文ください)

定価●本体価格18000円+税 ISBN4-944114-03-6 C0062 Y18000E

発行●1999年10月25日  装丁●A5判上製本・カバー付き  頁数●840頁 〈残部僅少〉

目次/内容

 

はじめに


一 最高裁平成元年7月13日判決の新聞報道
二 本稿の構成及び意図するところ


第1篇 最高裁判決の問題点

 

第1章 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項について

 

 一 判示事項の一(理由三の1)―共同漁業権の沿革
 二 判示事項の二(理由三の2)―現行漁業法における漁業権の制度
 三 判示事項の三(理由三の3前段)―現行漁業法における共同漁業権と漁業協同組合との関係
 四 判示事項の四(理由三の3中段)―昭和37年法律第156号による漁業法の改正前における旧第8条の規定
 五 判示事項の五(理由三の3後段)―漁業権行使規則制度
 六 判示事項の六(理由三の4)―共同漁業権の主体たる漁業協同組合にかかる水産業協同組合法の制度
 七 判示事項の七(理由三の5前段)―現行漁業法及び水産業協同組合法の規定にかかる説示のまとめ
 八 判示事項の八(理由三の5中段)―共同漁業権は入会漁業権の性質を失い、組合員の漁業を営む権利は、社員権的権利である。
 九 判示事項の九(理由三の5後段)―漁業補償金は漁業協同組合に帰属するが、総会の特別決議によって、組合員に配分する。


第2章 最高裁平成元年7月13日判決の第1の問題点

 

 一 共同漁業権の制度として、最高裁平成元年7月13日判決が説示する漁業法及び水産業協同組合法の規定について
 二 本件最高裁判決が説示する共同漁業権にかかる規定には、漁業法第六条第五項の「共同漁業権の定義」の規定、同法第23条第一項の「漁業権は、物権とみなす。」規定及び同法第143条の「組合員の

漁業を営む権利の侵害者に対する罰則」の規定並びに水産業協同組合法第4条の「組合の目的」の規定が、含まれていない。
 三 最高裁平成元年7月13日判決から脱落している漁業法及び水産業協同組合法の規定の概要

 四 最高裁平成元年7月13日判決の第一の問題点について


第3章 最高裁平成元年7月13日判決の第2の問題点


 一 本件最高裁判決には、共同漁業権に関する漁業法及び水産業協同組合法の規定についての、法趣旨に関する説示がない。
 二 最高裁平成元年7月13日判決の理由三の3における漁業法第8条第一項に規定する漁業権行使規則にかかる説示について
 三 昭和37年法律第156号による漁業法第8条の改正の趣旨(「漁業法の一部を改正する法律の施行について」昭和38年2月8日付け農林省事務次官通達)
 四 最高裁平成元年7月13日判決の第二の問題点について


第4章 最高裁平成元年7月13日判決の第三の問題点


 一 本件最高裁判決の判示事項の一の判示(理由三の1。共同漁業権の沿革)について
 二 本件最高裁判決の判示事項の七(理由三の5前段)の判示(現行漁業法及び水産業協同組合法の規定にかかる説示のまとめ)について
 三 本件最高裁判決の判示事項の八(理由三の5中段)の判示(共同漁業権は入会漁業権の性質を失い、組合員の漁業を営む権利は社員権的権利である。)について
 四 最高裁平成元年7月13日判決の第三の問題点について

 


第2篇 共同漁業権の立法趣旨と総有説


第5章 共同漁業権の定義(漁業法第6条第5項)の立法趣旨

 

 一 「共同漁業権の定義」の規定(漁業法第6条第5項)
 二 現行の漁業法(昭和24年法律第267号)について
 三 共同漁業権の定義(第6条第5項)の立法趣旨


第6章 旧第8条(各自漁業を営む権利)の規定の立法趣旨

 

 一 共同漁業権の定義(第6条第5項)と旧第8条(各自漁業を営む権利)との関係について
 二 旧第8条(各自漁業を営む権利)の規定の立法趣旨


第7章 漁業権行使規則(第8条)の立法趣旨

 

 一 最高裁平成元年7月13日判決における漁業法第8条に規定する漁業権行使規則にかかる判示について
 二 昭和37年法律第一五六号の立法関係者による漁業権行使規則の規定についての説明(岩本道夫編著「新漁業法の解説」)
 三 漁業法第8条改正の立法趣旨(「漁業法の一部を改正する法律の施行について」昭和38年2月8日付け農林省事務次官通達)
 四 漁業法第8条の改正趣旨に関する判例(福岡高裁昭和48年10月19日判決)
 五 合併後の漁業協同組合においては、合併によって承継した各共同漁業権の関係部落ごとの行使を、漁業権行使規則に規定する行使者の資格の定めによって保障する。
 六 合併の経緯のない漁業協同組合における漁業権行使規則制度の意義について
 七 「漁業権行使規則等作成について」(昭和37年11月13日付け水産庁長官通達)


第8章 共同漁業権の免許についての適格性(第14条第8項)の立法趣旨

 

 一 共同漁業権の免許についての適格性の規定(第一四条)
 二 「適格性」の意義について
 三 海面における共同漁業権の適格性(第14条第8項)について
 四 共同漁業権の適格性を漁業協同組合に限定する立法趣旨について
 五 「部落総有の入会漁場」の成立とその近代的権利化(ローマ法的整備)について
 六 漁業法(明治34年法律第34号。「旧法」)における「漁業組合の専用漁業権」の立法趣旨について
 七 現行漁業法(昭和24年法律第267号)の立法過程における「漁業改革案」の変遷について
 八 水産業協同組合法(昭和23年法律第242号)の制定及び経済事業体たる漁業協同組合の設立について
 九 経済事業体たる漁業協同組合が行う共同漁業権の管理の問題点及び漁業法に規定するその対策について


第9章 共同漁業権を物権とみなす規定(第23条第1項)の立法趣旨


 一 第23条(漁業権の性質)第一項の規定の立法趣旨
 二 「共同漁業権、区画漁業権の場合は、組合員の各自漁業を営む権利」も、物権である。
 三 第23条(漁業権の性質)第2項の規定の立法趣旨


第10章 入漁権を物権とみなす規定(第四三条第一項)の立法趣旨

 

 一 「入漁権」(第7条)の意義及び法的性質について
 二 入漁権を物権とみなす規定(第四三条(入漁権の性質)第一項)の立法趣旨について


第11章 組合員の漁業を営む権利の侵害者に対する罰則(143条)の立法趣旨


 一 漁業法第143条(罰則)の規定について
 二 第143条(罰則)の規定の立法趣旨について(ただし、同条の立法趣旨の解説はない。水産庁経済

  課編「漁業制度改革」を参照)
 三 「漁業権」、「入漁権」及び「漁業行使権」並びに「漁業権侵害罪」及び「漁業行使権侵害罪」にかかる規定の沿革
 四 旧漁業法第60条において漁業行使権侵害罪を創設した立法趣旨について
 五 現行漁業法第143条(罰則)に「漁業行使権侵害罪」を規定する立法趣旨について


第12章 水産業協同組合法第4条(組合の目的)の規定の立法趣旨


 一 水産業協同組合法第4条(組合の目的)の規定の立法趣旨
 二 水産業協同組合法第11条(事業の種類)の規定の立法趣旨


第13章 水産業協同組合法第17条(漁業の経営)の規定の立法趣旨


 一 水産業協同組合法制定時の第17条(漁業の経営)の規定の立法趣旨
 二 漁業法施行法(昭和24年法律第268号)第21条による水産業協同組合法第17条(漁業の経営)の規

  定の改正趣旨(現行第17条(漁業の経営)の規定の立法趣旨)


第14章 故我妻栄東京大学名誉教授の「鑑定書」について(「総有説」)


 一 我妻栄東京大学名誉教授の昭和41年1月付け「鑑定書」
 二 「総有説」(「我妻栄鑑定書」の理論)に立脚した判例


第15章 共同漁業権の沿革についての判示事項の一の判示は、正当である。

 

 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の一(理由三の1)の判示の内容についての検討
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の一(理由三の1)の判示(共同漁業権の沿革)は、正当である。


第16章 現行漁業法における漁業権の制度についての判示事項の二の判示の問題点


 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の二(理由三の2)の判示の内容についての検討
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の二(理由三の2)の判示の問題点

 


第3篇 判示事項の検討(一) 共同漁業権論

 

第17章 現行漁業法における共同漁業権と漁業協同組合との関係についての判示事項の三の判示は、正当である。

 

 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の三(理由三の3前段)の判示の内容についての検討
 二 判示事項の三(理由三の3前段)の判示は、正当である。


第18章 旧第8条(各自漁業を営む権利)の規定についての判示事項の四の問題点


 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の四(理由三の3中段)の判示の内容についての検討
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の四(理由三の3中段)の判示の問題点について


第19章 漁業権行使規則制度についての判示事項の五の問題点


 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の五(理由三の3後段)の判示の内容についての検討
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の五(理由三の3後段)の判示の問題点について


第20章 「組合管理漁業権」と「経営者管理漁業権」との区別について


 一 漁業権には、協同組合に管理権が認められず直接経営する者に免許するもの(組合が自営しなけれ

  ばもてないもの)と、協同組合が管理できるもの(自営しなくても持てるもの)との、2種類がある。
 二 漁業権は、「経営者免許漁業権」と「組合管理漁業権」の二種類に分類される。
 三 「経営者免許漁業権」(協同組合に管理権が認められない漁業権)の免許についての適格性
 四 「組合管理漁業権」(協同組合に管理権の認められる漁業権)の免許についての適格性
 五 漁業権とする法律上の必要性は、「経営者免許漁業権」と「組合管理漁業権」で異なる
 六 「組合管理漁業権」の本質は、共同漁業権の定義(第六条第五項)において、「一定の水面を共同に利用して」と表現されている。
 七 「組合管理漁業権」の沿革について
 八 「経営者免許漁業権」の沿革について
 九 「組合管理漁業権」は、陸における入会山の利用と同性質の「入会漁業権」である。
 一〇 「経営者免許漁業権」は、入会漁場の中に発生した「経営者の特定する個別漁場」を渕源とする「個別漁業権」である。
 一一 「漁業権の貸付の禁止」(第30条)と、「経営者免許漁業権
及び「組合管理漁業権」との関係
 一二 「組合管理漁業権」は、先取特権の対象とならず、抵当権も設定し得ない。
 一三 入漁権は、「組合管理漁業権」の一種である。


第21章 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の六(理由三の4)の判示(漁業協同組合にかかる水産業協同組合法の規定)の問題点について


 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の六(理由三の4)の判示の内容についての検討
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の六(理由三の4)の判示の問題点について


第22章 現行漁業法及び水協法の規定にかかる説示をまとめた判事事項の七
の問題点について


 一 最高裁平成元年7月13日判決の第三の基本的問題点について
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の七(理由三の5前段)の判示に掲げる規定と、旧漁業法

  (明治43年法律第58号)又は漁業組合令(明治43年勅令第429号)におけるれと同種の規定との、比較、対照
 三 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の七(理由三の5前段)の判示に掲げる漁業法及び水産業協同組合法の規定と、それらと同種の旧漁業法における規定との比較、対照のまとめ


第23章「共同漁業権は入会の性質を失い、組合員の漁業を営む権利は社員権的権利である。」とした判示事項八の判示は、すべて誤りである。


 一 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の八(理由三の5中段)の判示の内容についての検討
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の八(理由三の5中段)の判示は、すべて誤りである。

 


第4篇 判示事項の検討(二) 漁業補償論


第24章「漁業補償金は漁業協同組合に帰属するが、総会の特別決議によって組合員に配分する。」とした判示事項九の判示はすべて誤りである。


 一 原判決(福岡高裁第二民事部昭和60年3月20日判決)について
 二 最高裁平成元年7月13日判決の判示事項の九(理由三の5後段)の判示の内容についての検討
 三 「漁業補償金は、漁業協同組合に帰属するが、総会の特別決議によって組合員に配分する。」とし

  た判示事項九の判示はすべて誤りである。

 


おわりに


――後記 「調査官解説を読んで」


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