味探検-味食クラブbP(東京新聞1998年3月19日12面掲載) 太巻き祭りずし 龍崎英子さん

房総伝統の味、太巻き祭りずしに挑戦

 切り口から満開の桜やバラ、桃やツバキの文様が現れた。材料は、米とノリ、卵焼き、力ンピョウに紅ショウガとすぐ手に入る素材ばかり。「房総の農漁村では、祭りや祝いの席に欠かせないもの。すし作り自慢のおじいさんが村に必ずいたといいます。戦後、作り手は主婦に代わったが、見事な文様を生み出す造形技術が家々の味として伝えられてきたことに驚きました」と千葉伝統郷土料理研究会の龍崎英子会長。
 40年ほど前に初めて出あった太巻きずしの魅力にすっかり引き込まれてしまった。作り手がいると聞けば訪ねて、そこに伝わる文様をスケッチしたり、巻き方を教えてもらいに県内を歩き回ったという。
 「手間の掛かるおすしを作る人がいなくなって」というおばあさんの一言に「それなら若い人たちに太巻き祭りずしの素晴らしさを伝えるのがわたしの役目」と発奮。千葉県栄養専門学院(現・衛生短大栄養学科)の教え子たちと一緒になってのレシピ作りや普及活動に飛び回る。
 「おすしの巻き手ならだれでもアーティストになれるのよ。房総生まれの太巻き祭りずし、おかげで千葉の誇る“食文化の華“ へと育ちました」と龍崎さん。
 あなたも花や文字文様の太巻きずしを作って周りの人をあっと驚かせてみてはどうだろう。 (中島満)

(写真=浅野いずみ)

 

レシピ=満開の桜(卵巻き)
@材料と作り方=1本分。すし飯(白)、粉末すし酢・梅味で色付けした桃色すし飯(花用)各300g、ノリ1枚(2分の1に切ったもの1枚、残りを3分割して枝に)、卵焼き1枚(卵3個分)、紅ショウガみじん切り30g、煮力ンピョウ7本(1本18cmくらい、2分の1のノリで挟んで幹に)。
A参考書=龍崎英子著「母と子の楽しい太巻き祭りずし作り方教室」(東京書店刊)。

 

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