真名真魚字典

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(3)その他の部 Sorry Under Construction

 

ヤガラ(簳)|ギギ(顙)||

19画

  [竹/幹] T1901

yagara ヤガラ 簳=(竹+13画)カン:しのだけの幹。竹の軸。

○邦名 (1)ヤガラ(集覧「日本動物図鑑」「水産俗字解」「水産名彙」)

○参考(1)矢幹魚・矢簳魚(その他5画)。

○参考(2)字義用例は梳齒魚(その他11画)に記す。

○邦名 絲魚=ギギ(集覧「水産俗字解」「水産名彙」)。

 

 [桑+頁] T1902 (JIS第3水準9402/Uコード9859)

-

――

そう(さう)sou。=コウソウギョ :黄顙魚:〔音〕ソウ(サウ)。[養]上聲。〔意味〕ひたい。額。また、頭。【学研新漢和大字典】

「ギギ」を示す

参考字体

キョウ:ほほ

:[央]

0510(46041)

:[]

0101(45959)

[嘗]

1401(46563)

[嘗’]

1340(46557)

:[禺]

0927(46315)

:[毘’]

1021(46379)

:[毘’]

0970(46358)

[央/皿]

1057

:[蒦]

1410(46572)

:[雨]

0890

(記載なし)

[糸系]

1057-2

1018(46376)

1607(46603)

0857(46260)

0721(46166)

 参考(1):341 [魚+罔] 再掲

0886

――

〔大漢和に記載なし。参考字下左2も同。〕

0453[0454[|参考:0636[]

参考字体

【学研新漢和大字典】|

[]=[頤−頁:0634(46125)イ。(1)[侯] [頤-頁]は、ふぐ。(2)いしぶし。〔倭名類聚鈔、龍魚部、龍魚類、[頤−頁]〕〔注〕伊之布之。

0886-2 JIS第2水準(7008)呉音:モウ(マウ)、漢音:ボウ(バウ)、[養]上聲。意味:あみ。あみする。網に同。以下略。解字:会意兼形声:网(あみ)+音符亡(みえない)で、かぶせて隠すあみ。また、おおいかぶせてみえなくすること。【学研新漢和大字典】。
○邦名 (1)[罔]魚=カジカ(集覧「大日本水産会編・水産宝典」「水産俗字解」「水産名彙」)。カラカゴ(同「水産俗字解」「水産名彙」)。 (1)カラカキ(カラカギ)。カラカコ(カラカゴ)。(2)チチカフリ。チチカムリ。チチンカムリ。

○参考 (1)ギギ・カラカコ系:[桑+頁](sonota19画):[軋(車→魚)](1画)。[魚+央](5画)。[魚+果](8画)[魚+雨](8画)。[魚+罔](8画)。[鯤](8画)。[魚+禺](9画)。[魚+毘](9画)。[魚+鬲(ル→メ)](10画)。[貔(豸→魚)](10画)。[蠖(虫→魚)](14画)。[嘗](14画)/[黄](sonota12画)。[桑+頁](sonota19画)。〈参考:[魚+囚](5画)。[魚+取](8画)。[魚+廷](7画)。[魚+亭](9画)〉

○邦名 ギギをさす魚名に用例の如く使う。

○【詩経】小雅「魚麗」篇(「毛詩注疏二十巻」汲古閣刊:TTDB:東洋文化研究所漢籍善本全文映像資料庫): (魚麗六章上三章章四句、下三章章二句:722コマ〜)魚麗、美万物盛多、能備禮也、文武以天保以上治内、禾薇以下治外、始於憂勤、終於逸樂、故美万物盛多、可以告於神明矣。{【鄭玄箋】内謂諸夏也。外謂夷狄也。告於神明者於祭祀而歌之。○【陸徳明音義】略}{【孔頴達疏】魚麗六章上三章章四句、下三章章二句至神明矣。○正義曰、作魚麗詩者、美當時万物盛多、能備禮也。謂武王之時、天下万物草木盛多、鳥獣五穀魚鼈、皆得所盛大而衆多、故能備禮也。禮以財為用須、則有之、是能備禮也。以下略}/魚麗于羀鱨鯊{【毛傅】麗歴也。曲梁也。寡婦之苟也。[嘗’]揚也。鯊[它]也。太平而後微物衆多取之、有時用之、有道則物莫不多矣。古者不風不暴不行火草木不折不芟斧斤不入山林豺祭獸然後殺獺祭魚然後漁鷹隼擊然後[羅(維→尉)]羅設是以天子不合圍諸侯不掩羣大夫不麛不卵士不隠塞庶人不數罟罟必四寸然後入澤梁故山不童澤不竭鳥獸魚鼈皆得其所然。}○【陸徳明音義】略}君子有酒。旨且多。【鄭玄箋】云酒美而此魚又多也。…中略…【孔頴達疏】魚麗至且多。○正義曰。言武王之時万物殷盛時捕魚者施苟於水中則…中略…○正義曰。釋訓云。凡曲者為、是曲梁也。釋器曰。…中略…非寡婦所作也。[嘗’]揚者魚二名。釋魚無文。陸璣疏云。[嘗’]一名黄頰魚是也。似燕頭角身〔似燕頭魚身〕形厚而長大、頰骨正黄 、魚之大而有力、解飛者。州人謂之揚、黄頰通語也、鯊[它]釋魚文。郭璞曰。今吹沙也。陸璣注云。魚狭而小常張口吹沙故曰吹沙。此寡婦苟而得[嘗’]鯊、之大魚、是衆多也。…中略…}魚麗于羀魴鱧。{【毛傅】鱧[同]也。(陸徳明音義略)}君子有酒多且旨。{【鄭玄箋】云酒多而此魚又美也。}{【孔頴達疏】傅、鱧[同]。○正義曰…中略…}魚麗于羀鰋鯉。【毛傅】鰋鮎也。 {○【陸徳明音義】略}君子有酒旨且有。{【鄭玄箋】云酒美而此魚又有。}{【孔頴達疏】傳鰋鮎。○正義曰。釈魚有鰋鮎。郭璞曰。鰋今鰋額白魚也。鮎別名[是]。孫炎以為鰋鮎一魚、鱧[完]一魚。郭璞以為鰋鮎鱧[同]四者各一魚。傳文質略未知従誰。}物其多矣維其嘉矣。{【鄭玄箋】云魚既多又善。}物其旨矣維其偕矣。{【鄭玄箋】云魚既美又齊等。}物其有矣維其時矣。{【鄭玄箋】云魚既有又得其時。}

     
【新撰字鏡】(天治本)巻第九ー四(8)より 【大和本草(宝永6年版・中村学園蔵書本)】巻13・8丁表(1)より      
       
【證類本草】(政和本草:WDB)巻第二十巻蟲魚部 【類聚名義抄(観智院本)】僧下十一(3)        

○【倭名類聚鈔】(那波道圓本:日本古典全集版)〔 巻十九龍魚、鱗介部第三十、龍魚類二百卅六〕 魚 崔禹錫食經云、{莫往反、與 罔同、和名加良加古}似[頤−頁]魚而頬著鉤者也。……崔禹錫食經に云う。「[罔]」{【源注】(音は)「ボオウ」の反切。 罔と同じ。和名は加良加古(カラカコ)。}[頤−頁]に似て、頬には著しい鉤がある者である。

○【箋注倭名類聚抄】巻八龍魚部 、龍魚類(二十六丁ウ)〔55〕 魚 崔禹食經云、{莫往反、與 @同、加良加古、}{○莫往反、本草和名同、下総本有和名二字、新撰字鏡訓加良加伎、按今俗呼g、或云疑々宇、丹波俗今猶呼加良加伎、加伎加呉一声之転、謂鉤也、所謂頬著鉤也、本草和名、[]條、無別有和名、似[頤−頁]魚 而頬着鉤者也、{○本草和名[][條]引、作}相似而頬著劔鉤、據此所引則劔字衍、按諸書不載字、按毛詩、魚麗于羀鱨鯊、正義引陸璣疏云、[嘗]一名黄頰魚、是也、似燕頭魚、身形厚而長大、頰骨正黄、魚之大而有力解飛者、釈文引云今江東呼黄鱨魚、尾微黄、大者長尺七八寸許、食療本草、黄顙魚一名[央][軋(車→魚)]、無鱗、李時珍曰、身尾倶似小鮎 、腹下黄、背上青黄、腮下有二横骨両鬚、有胃、羣游作声、如軋々。性最難死、小野氏曰、是可以充加良加伎、

○【新撰字鏡(天治本)】巻九魚部第八十七 (1)(521-3行) {即由反。鳥化為也。頂上有細骨如鳥毛物也} (2)(521-8行)[取]{士垢反。上。一曰、人姓。漠有◆。加良カ支。}……★頭注→「○八=漢有[取](生)加良加支 」とある。「上」は「上聲」。カラカキ→ギギ及びトゲを持ち、触ると刺されるアユカケなどに通じる 。天治本「漠」は、享和本(群書類従本)において、「漢」と読んで、「[取]{士垢反。一曰、人姓。漢有[取]生。加良加支。}」としている。[取](8画)は「小さな魚」という程度の意味。……【廣韻】(五巻・張氏重刊宋本廣韻TDB):上聲巻第三:四十四○有{云久切。九}/○[取]{魚名一曰姓漢有[取]生又淺[取]小人。仕垢切。又七溝切。一}から引用したものであることがわかる。「漢有」の「漢」は「漢書」のこと。

○【類聚名義抄(観智院本)】僧下七(1207-1) {音[国(玉→又)]ハウ。カラカコ}……カラカコという同じ訓みを与えている文字が同書中「僧下一一(1211-3)」に、

  鮿{士垢反、白魚、カラカコ}、鮿{同正音輙、[魚+専]魚}

 が載る。

][]は、[罔]の草行書体 で書写したときの略字体が異体化した字であろう。アミガシラ=网、罔の「メ」の略か。その場合「ヌ」もほぼ同形に書かれると考えてよいだろう。音は【類聚名義抄】に「ハウ」とあるように、罔を音とした「ボウ」でよいと思うが、検討の要あり。カラカコ系列であることから、おそらく棘ないし鉤をもつギギの仲間、あるいはハゼ・カジカの仲間を指して付けられた用例 として多く集めるべし。

○【證類本草】(政和本草:WDB)巻第二十巻蟲魚部上品總五十種:(八種食療餘)黄頼魚。一名。醒酒、亦無鱗。不益人也。

○【本草綱目】(国会図書館蔵本KTDB)(第24冊)第44巻、鱗部ニ(鱗之四)無鱗魚二十八種・附録九種:黄 []魚{食療}/(釈名)黄魚{古名}黄魚{詩註}{央軋}{(時珍曰)顙頰以形、以味、以声也。今人析而呼為黄。陸作黄揚訛乎。}/(集解)(時珍曰)黄鱨無鱗魚也。 身尾倶似小鮎無鱗、腹下黄、背上青黄、腮下有二横骨両鬚、有胃、羣游作声、如軋軋。性最難死。 陸璣云、魚身無頭、頬骨正黄、魚之有力、能飛躍者。陸佃云、其膽春夏近上、秋冬近下、亦一異也。/(気味)甘平微毒。{(曰)無鱗之魚。不益人。發瘡疥。(時珍曰)反荊’芥、害人。 }/(主治)肉至能醒酒{弘景}袪風{呉瑞}煮食消水腫利小便、燒灰治瘰癧久潰不收斂及諸悪瘡{時珍}/(附方) {新三}水氣浮腫{用黄顙三尾、酷、一合、大蒜三瓣、水煮爛去魚、食豆以汁調商陸末一錢服、其水化為清氣而消、詩云一頭黄顙八鬚魚、酷、同煎一合餘白煮作羹、成頓服管教水腫自消除、集要}瘰癧潰壞{用黄[軋(車→魚)]魚破開入蓖麻子二十粒扎定安厠坑中冬三日春後一日夏半日取出、洗淨黄泥固濟煅存性研香油調傅}膁瘡浸淫{方同上並普濟}涎{翅下取之}(主治)消渇{呉瑞}/(附方){新一}生津丸{治消渇飲水无度、以黄顙魚涎、和青蛤粉、滑石末等分、丸梧子大毎粟米湯下三十丸。/頬骨(主治)喉痺腫痛焼研茶服三銭{時珍○竝出普濟。}

○【大和本草(宝永6年版・中村学園蔵書本)】巻十三魚之上河魚――[央/皿][糸+系]魚キヾ  時珍食物本草ノ註ニ云フ。諸渓河中ニ生ス。長サ5〜6寸、黄褐色、鱗ハ無ク、闊口(大きい口の形)ニシテ、口ニハ細歯有リ。鋸ノ如シ。鰓ノ下ニ硬イ刺(トゲ・ハリ)有リ。骨ハ亦硬シ。善ク小魚ヲ呑ム。肉ハ薄味、短気、味ハ甘平、毒ハ無シ。脾胃ニ益シ、五臓ノ和スルヲ主(ツカサド)ル。小児ノ痘疹ヲ発シ、多食ハ疥ヲ生ス。○処々ノ山中渓河ニアリ。アギ(鰓)ノ下ノ両傍ニヒレ(鰭)アリ。又、背ニヒレ(鰭)アリ。皆、刺ハリナリ。三処共ニ人ノ手ヲフルレバ、人ヲサシテ痛ム。ナマツ(鯰)ニ似テ小ナリ。又、[魚+條]ノ形ニ少シ似タルモアリ。黄褐色ナリ。処々ニ斑文アリテ、段ヲナスモアリ。長サ3〜4寸、或ハ5〜6寸。山州嵯峨ノ川(京都―山城国・嵯峨川)ニテ、ミコ魚ト云ハ、ギヾノ赤キ也。形状ハ同シ。筑紫ノ村民蜂’振フリ(「ハチフリ」というギギの異名か。「蜂」という字のツクリが「降」のツクリに読めるのは、「蜂」とは別字か?)ト云。ハリアル故名ツク。海ニモ此ノ魚アリ。案ニ、本草ニ之を載セル(名ハ)、黄魚、又、黄[嘗]魚ト号ス。又、[央][軋(車→魚)]ト名ス。時珍云。無鱗魚也。身カラ尾ノスガタハ(倶)小鮎(小さなナマズ)ニ似テ、腹ノ下(にかけての部分)ハ黄デ、背ノ上ハ青黄、情(性)最モ死に難ク、反荊芥(どういう意味だろう。イバラやアクタにも非常に強く生き残るというような意味か?)。今、案ウニ、恐クハ、コレ、[魚+(央/皿)][魚+系]魚ト同物デ異名ナルヘシ。凡ソ、異名司物多シ。黄魚ヲ、タラ、ト訓スルハ非ナリ。……[央/皿 ][糸+系]の二字とも大辞典に記載なし。本字1字だけで魚の名をあらわす用例は見当たらない。下記用例のごとく、[糸+系]或いは[絲]を伴って、ギギをあらわす。ツクリの「央/皿」は、おそらく、ギギを中国でも現してきた[魚+央][軋(車→魚)]の「央(おう)」と、まったく別文字だがマナガツオやタナゴを指す[魚+去/皿](あふ=オウ/)とが、混同して(意識的か無意識かはわからないが)生まれた文字のような気がする。また、翻刻に当って、[糸+系](1057-2)と、[絲]、および[魚+系](7画)とを同字として活字化している場合(【古事類苑】)があり、原典執筆者の用例に戻り確認が必要かもしれない。

○【同】巻十三魚之下45丁裏(5) 海 [央/皿][糸+系]魚  海ノギヽ也。長サ5〜6寸ニ過ギズ。白黒ノタテ筋アリ。其余ハ河ノ[央/皿][糸+系]魚ノ如シ。

○【和爾雅】六龍魚―[央/皿 ]絲(キヾ)魚。……【古事類苑】(1348ページ)より引用。原本に要確認のこと。

○【物類称呼】(岩波文庫版) 黄魚 ぎゞ○備前にてぎゞ 東国にてぎゞう 北国にてあいかけ 加賀にてざす 奥州及越後にてはちうを 越前にてあかにこ 出羽にてがばち 上総にて川ばち 伊勢にてども  土佐にてぐゞといふ 此魚背[せ]の上に刺[はり]有て人を螫す、ごき\/と鳴く、人これを捕ふ時ははなだかなしむ声を出す、今按に 享保十三年戊申ノ秋 東国所々洪水せしころより此魚うせたり、しかふして後鯰[なまず]と云魚東国に生ず うたがふらくはぎゞ鯰に変したる物歟〔MANA=ものか〕(岩波文庫版。1941年。1977年3刷より。)

○参考:拙稿「雑魚名考―源氏物語にも登場するイシブシ

○参考 (1)ギギ・カラカコ系:[桑+頁](sonota19画):[軋(車→魚)](1画)。[魚+央](5画)。[魚+果](8画)[魚+雨](8画)。[魚+罔](8画)。[鯤](8画)。[魚+禺](9画)。[魚+毘](9画)。[魚+鬲(ル→メ)](10画)。[貔(豸→魚)](10画)。[蠖(虫→魚)](14画)。[嘗](14画)/[黄](sonota12画)。[桑+頁](sonota19画)。〈参考:[魚+囚](5画)。[魚+取](8画)。[魚+廷](7画)。[魚+亭](9画)

○参考( 2)ハゼ・カジカ 系: 鯊・沙魚(7画):[鮖](5画)。[魚+罔](0886)[魚+庸](46460)〔1146〕[魚+同](46121)〔0630〕。 杜父魚(その他7画)。渡父魚

○参考(3)イシブシ系:[頤−頁](6画):[イ]に 用例を記す。:石伏(その他5画):[追](9画)。

                    

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