真名真魚字典

 まなまなじてん|MANAMANA-JITEN

 

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和名・一次名称・俗称別引用文献・参考文献引用文中の古書名注編者凡例

 

(3)その他の部 Sorry Under Construction

10画

|[海]|[針][烏][馬]|[竜]|

 

海鰾

○邦名 イカの甲のこと。

○参考:[烏賊](その他10画)。[鮹](7角)。[鰾](11画)。

 

針魚  hariuo,hario ハリオ・ハリウオ

○邦名 (1)イトウオ(集覧「実験活用水産宝典」「水産名彙」)(2)サヨリ(同「岩波動物学辞典」「水産名彙」)。(3)ヨリト・ハリウオ(同「水産名彙」)。(4)ハリイオ・ヨロズ(同「水産俗字解」)。

○【倭名類聚鈔】巻第十九 鱗介部 針魚 七巻食経云、針魚{和名波利乎。一云與呂豆}。口長四寸、如針故以名也。

○【箋注倭名類聚抄】巻八龍魚部 針魚 七巻食経云、針魚{波利乎、一云與路豆、○下総本波上有和名二字二名並依輔仁、今俗呼左與利}。口長四寸如針、故以名之、{○本草和名引同、按東山經[河(可→只)]水多箴魚、其状如、其喙如箴、郭氏曰、出東海、今江東水中有之。}

○箋注倭名類聚抄訳注より(その1):〔24〕針魚:(24-2)本草和名:古書注参照:【本草和名(寛政刊・古典全集本)】針魚 {口長四寸如針故以名之、出七巻食經。} 和名与呂’都 一名波利乎。……呂’=[口/口]。(2)(3)箴魚:シンギョ。箴(はり)のようにとがった喙を持つ魚。

○箋注倭名類聚抄訳注より(その2):〔24〕針魚:(24-3)山海経:古書注参照:『山海経』「東山經」:【山海経箋疏】(郭璞伝・郝懿行箋疏。還読樓校刊本)(WULDB):山海経第四:東山經:前略……又南三百里、曰[木旬]状之山{懿行案略}、其上多金玉、其下多青碧石。有獸焉、其状如犬、六足、…中略…而北流注于湖水。其中多箴魚、其状如儵{懿行案、儵即鯈字}、其喙如箴{出東海。今江東水中亦有之。:懿行案、今登萊海中有箴、梁魚碧色而長、其骨亦碧、其喙如箴、以此得名。太平御覧九百三十九巻引南楚記云、箴魚口四寸。}、食之無疫疾。

 

○参考(1)サヨリ系:針魚(その他10画)。[魚+箴](15画)。

○参考(2)サンマ系:秋刀魚:秋(その他9画)に記す。

○参考(3)ハエ・ハヤ系:[鮠](6画):[攸/魚](7角)。[魚+條](11画)。

 

烏賊   ika,usoku うそく・うぞく 。いか。

○邦名 イカ。

○【新撰字鏡(天治本)】(518-7)[婦(女→魚)]{之酉’反。伊加。}/(520-6)[魚+烏]{哀都反。[魚+賊]伊加。}/(522-4)鰒{○蒲角反。伊加。}/(523-2)[魚+則]{三字同、昨則反。伊加}……「三字」とは、[賊][即][則]のこと。なお、享和本・群書類従本には、3字のほかに、「[瞭(目→魚]{伊加}」が載る(但し、明治ツクリにウ冠がついている―下記参照)。「箋注倭名類聚抄」の引用は、この群書類従本(享和本)を参照としていることが推測できる(エキ齊は、天治本は参照しているのかは、この部分だけからは思量できないので要検討)。

○【本草和名(寛政版)】烏賊魚{陶景注云。鵯’烏所化也。崔禹云、垂’[砂(少→丁)]而浮烏鳥翔欲喙’(啄’)之、[回(ロ→コ)]驚巻捕而收’之、故以名之。}一名河神之吏{出崔禹。}一名河伯度事’、小吏{出古今注。} 和名以加。

○【倭名類聚鈔 (那波道円本)】巻第十九 鱗介部第三十 龜貝類二百三十八 烏賊 南越志云。烏賊{今案。烏賊並従魚、作[魚+烏][魚+賊]、[賊]又作[魚+則]。見玉篇。和名伊加。} 常自浮水上烏見以為死啄之乃巻取之故以名之。……後段は、「常ニ水上ニ浮ビ、烏、死ト為スト見テ之ヲ啄マントスルヲ、タチマチ之を巻キ取ル、故ニ之ノ名(烏賊)トス」とでも読むのか。

○【箋注倭名類聚抄】巻 第八 龜貝部第十九龜貝類百十(第47丁ウ) 烏賊 南越志云、烏賊今案烏賊並従魚、作[魚+烏][魚+賊]、上音烏、下疾得反、亦作[魚+則]、見玉篇一、伊賀、○[魚+烏][魚+賊][魚+則]三字今本玉篇皆有、下総本有和名二字訓伊賀依輔仁、新撰字鏡、[魚+烏]、鰒、[魚+寮]、同訓、玄応音義 引[土+卑]蒼云、[魚+烏][魚+則]魚腹中有骨、出南郡、背有二一骨一濶二寸許、有[髪(友→耆)]甚長、口中有墨、瞋則撰人、陶隠居云、此是[鷭(番→暴)]烏所化作、今共口脚具存、猶相似爾、陳臓器云、海人云、昔秦王東遊、棄二算袋於海、化為此魚、其形一如算袋、両帯極長、墨猶在腹也、蜀本図鏡云、背上骨厚三四分、}……○[烏][賊][則]の三字は、今本の玉篇(江戸中期流布本をいうように捉えてよいのか?)各刊本に皆載っている。下総本に「和名」二字あり。「伊賀」と訓むのは、深根輔仁「本草和名」による。新撰字鏡に「[魚+烏]、鰒、[魚+寮]」 〔MANA注:[魚+ォ]が正しい。〕を載せ、同じ訓を与えている。

   常自浮二水上一、烏見以為死啄之、乃巻取之、故以名之、{○芸文類聚初学記引南越記、賊下有魚字、啄上有便注二字、取之作取烏、故以名之作故謂烏賊、太平御覧同、按説文、[魚+則]、烏[魚+則]魚也、从魚則声、又載[魚+即’]字云、[魚+則]或从即、是[魚+則][魚+即’]形声字、共謂之烏者、以腹中有一レ墨之故耳、作烏賊仮借也、羅願曰、巻取烏、似是理、為得、但羅氏謂烏所化故名一レ烏者、亦非是、伊勢廣本啄作喙同、}

○【伊呂波字類抄】(日本古典全集第三期)第一(七―1) 烏賊{イカ}/[魚+烏][魚+戎]{同。亦乍[魚+則]}。/烏[魚+戎]魚{陶景注云。鵯’鳴(鵯”烏)所化也。崔禹云。垂’[砂(少→丁)]而浮烏鳴翔欲啄之回’驚巻捕而收’之、故以名之。}/河神之吏{出崔禹。}/河伯度事/小吏{出古今注。ヒ止。イカ。見干’本草。}/烏賊黒{イカノクロミ。}〔頭注〕「烏鳴」二字本草和名ニヨルニ「烏’鳥」ノ訛。……判読不明字(「’」「”」を付けた字)が多いが、本草和名「烏賊魚」から引いているのは前記【本草和名(寛政版)】の項参照。

○【大和本草(宝永6年版・中村学園蔵書本)】巻十三(四十丁) 烏賊魚(イカノウオ) この種類は多い。コブイカは大きく、味がよい。水イカは、長く縁(へり)ヒコシ。柔魚(スルメ)は、[門⊂虫]書(ビンショ)に曰く、「烏賊(トソク)ニ似テ長ク、色ハ紫、[消(肖→章)]人ハ、之ヲ晒シ干シ(天日に干し)食ス。其ノ味ハ甘美トイヘリ。」。是はスルメのことである。骨はウスく、乾したものを多く食べると、消化しにくい。およそ、烏賊の性状は、本草綱目に「気ヲ益シ志ヲ強クス」というように、柔魚もまた同様であろう。河豚、鰹魚などによる魚毒にあたったときには、スルメの手を煎じて服用するとよい。瑣管(シャクハチイカ)は、スルメより小さい。長く、骨はウスい。これを食べると柔らかい。又、サバイカともアフリイカともいうイカは、広大な形をしている。障泥(しょうでい=アオリ=泥除けの馬具で、毛皮、またはシボ皮などで造り、下鞍の間に差し込んで馬腹の両脇うぃ覆う)に似た形をしている。柔らかで、味がよい。小イカがいる。およそ、烏賊魚は人に益なく、病人はこれを食べてはいけない。消化しにくいため、肉[食+羔]カマボコとしてなら食べられる。海鰾[魚+肖]は、イカの甲のことである。薬に用いる。効能が多く、本草として考えて、世の医師は、「歴久ヲ用テ尤モ良シ」(とはどう訳したらよいのか?)という。

○参考:[烏賊](その他10画):[柔魚](その他9画)/[魚+月](4画)。[魚+羽](6画)。[魚+即](7画)。[魚+帚](8画)。[魚+則](9画)。[魚+即’](9画)。[魚+烏](10画)。[榻(木→魚)](10画)。/[鰒](9画)

 

馬鮫魚 sawara,bakougyo サワラ・さわら

○邦名 サワラ(集覧「魚類学」「水産俗字解」「水産名彙」)。

○【大和本草(宝永6年版・中村学園蔵書本)】巻十三(二十七丁) 馬鮫魚サハラ 魚大ナレドモ腹小ニ狭シ。故ニ狭腹サハラと名 つく。サは狭・小。[門⊂虫]書曰青班色鱗無く歯有り、其小者青箭サゴシと謂う。○今案ニ五月以後十月以前多シ。味美ナレドモ病人食スヘカラス。―中略―。其子ホシテ酒肴トス。味ヨシ。多ク食フヘカラス。気ヲ滞ラス。名ツケテ、カラスミト云。鯔魚ノ子ノ如シ。ヲキサハラハ長六七尺アリ。味ヲトル。東海西海之レ有。ミコ魚ハ、サハラノ如ニテ大ナリ。背ニヒレアリ。ヒレノ長キ事四五尺ハカリ。其ヒレ常ニハ背筋ノ内長ククホキトコロニタゝミ入テアリ。形状馬鮫魚ニ同。只ヒレノ長キノミ異トス。

○参考: その他用例は[鰆](9画)に記す。

 

 ryu,tatsu リュウ・りゅう、タツ・たつ →龍(16画)に記す。

 


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