MANABOOK・2002年1月刊

現場からの報告

漁業崩壊  国産魚を切り捨てる飽食日本

木幡 孜 著(こばた・つとむ)

発行●まな出版企画 03-3319-3127   発売●れんが書房新社 03-3358-7531

定価●本体価格3200円+税 ISBN4-944114-05-2 C0062 Y3200E

発行●2001年12月20日 装丁●A5判並製本・2色カバー付き 頁数●336頁

図表60点/写真20点

目次/内容

 

第1部 日本固有の漁業問題と漁業の食料産業特性

第1章 国産魚を捨てながら狂乱する日本の飽食

第2章 国産魚は激減したといわれるが

第3章 現存する唯一の狩猟型食料産業

第4章 卓越した漁業の食料供給力

第5章 2段階で起こった産地の価格破壊

第6章 総括

第2部 漁業と地域の活性化事例

事例1〔三重県鳥羽市―相差〕地産地消で活性化する漁業民宿地帯

事例2〔千葉県千倉町〕生産者サイドの流通を展開する漁民会社

事例3〔神奈川県横須賀市安浦町〕立地条件を最大限に活用するアイデア営漁

事例4〔山口県黒井村〕論議を尽くした総意で村ぐるみの転職

事例5〔神奈川県横浜市柴地区〕都市圧を都市益に変えて蘇った東京湾漁業

事例6〔相模湾湘南地区〕高収益資源管理型営漁で復活するシラス漁業

事例7〔神奈川県三浦市松輪地区〕暖簾の堅持と革新を続ける高収益一本釣漁業地帯

事例8〔神奈川県箱根町芦ノ湖地区〕観光漁業で活性化した芦之湖漁協地区

事例9〔長野県佐久市〕佐久鯉の行方

事例10〔神奈川県厚木市〕都市河川に根付く相模川河川漁協の活動

事例11〔山梨市〕漁協営養魚場のミニマムな生産方式

事例12〔神奈川県小田原市江之浦地区〕「海業」の展開

事例13〔小田原市江之浦地区〕年間収益4000万円の営漁方法

事例14〔岐阜県馬瀬村〕清流とアユによる村おこし

事例15〔全国漁協婦人部活動〕漁協婦人部関連の加工・販売事業活動事例

事例16〔神奈川県山北町〕青春の夢を託した特産種「八丁ヤマメ」

事例17〔神奈川県相模湾地区―相模湾水産振興事業団〕漁業界の独創が生んだ財団の設立と活動

●本の発行内容


[書名]『漁業崩壊 国産魚を切り捨てる飽食日本―現場からの報告』
[著者]木幡 孜(こばた・つとむ)元・神奈川県淡水魚増殖試験場長 現・水土舎顧問
[体裁]A5判横組み/並製本、2色カバー/336頁
[定価]本体価格3200円+税  まな出版企画から発送の場合送料=500円
[発行]まな出版企画(直接注文の場合―FAX・03-3319-3137)
[発売]れんが書房新社(書店への注文の場合―送料はかかりません)

●第一部[前書きより]

 

 漁業は、現存する唯一の狩猟型食料産業である。一見後進性をおもわせるが、海洋漁業国に共通する水産物の供給量は、洋の東西をとわず飼育栽培型の養殖業ではなく、その大半を漁業に依存し続けている。この生産構造は、今後も変わることはないであろう。
狩猟資源の利用の原則は、先人の営みが教えるように自然が生み出す産物を選り好みなく存分に活用し、享受する智恵を働かせることにある。然るに、わが国のみが十分自給できる国産を捨てながら輸入依存の飽食時代を異常なレベルで加熱させ、水産物市場の需給バランスと水産食料の生産機能を崩壊させている。
冒頭で「非常事態に突入しているといっても過言ではない生鮮冷凍市場の現状」を明らかにする。次いで「水産物の供給と利用の実態はどのようになっているのか」「漁業には本来的にどのような生産特性があり、どのような資源の利用が望ましいのか」「漁業と農林畜産業との生産性にはどのような差異があるのか」「生産者魚価が過去半世紀にどのように変化し、漁業の経営基盤をどのように変えてきたのか」、そして「輸入による過飽和状態の食料需給関係が漁獲物の利用をどのように変え、かつ食生活の基本である『ケの食事』(日常食)と『ハレの食事』(特別な日の御馳走)をどのように変えてしまったのか」等々を明らかにしながら日本漁業の不振要因を特定し、基本的な打開策を提示する。

 

本書の書評紹介

●著者略歴●

木幡孜 こばた・つとむ

昭和10年東京生れ
同33年東京水産大学増殖学科資源学課程卒
同33年山口県内海水産試験場研究員。同37年神奈川県水産試験場研究員、同場研究部長を経て、神奈川県淡水魚増殖試験場長。平成7年から叶土舎顧問。
瀬戸内海と相模湾の水産資源研究に従事、東京大学にて農学博士の学位取得。その後資源研究から漁業の不振要因を特定する研究、および漁業活性化手法の研究を続け現在に至る。
著書:『漁業の理論と実際』成山堂書店。『財団法人相模湾水産振興事業団30年の歩み』五曜書房。

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