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お待たせしました!! 2006年 6月12日発売開始 好評発売中!!
里海叢書・新刊の紹介 |
ローカルルールの研究 海の「守り人」論Part2 ―ダイビングスポット裁判の検証から― |
発行:まな出版企画(発売:れんが書房新社) 発行:2006年6月12日 A5判並製416ページ 定価:5250円(本体価格5000円+税) |
海や川はだれのものだろう? 海や川や湖=水系の管理主体はだれが担うのが良いのか? 「入会(いりあい)」や「総有(そうゆう)」って「共有」とはどう違うの? ……海の『守 |
○海や海辺、水辺の利用と管理は、だれが、どのように担っていくべきであろうか。漁業者や漁協の役割、そして住民と市民の協力体制のもとで、自治的・自主的なルールを作り上げることによって、安定した地域社会のルールが形成される過程を、ダイビングスポット裁判という現実に起きた裁判の判例の意味を徹底研究した。自主的・自治的に形成された地域社会のルールを「ローカルルール」と呼ぶことにした。 ○農山漁村地域で自然環境・資源の利用と管理と保護を現在まで担い続けてきた農林水産業の生産を担ってきた人々が、地域社会の持続的発展のために、将来に向けてどのような役割を果たすことができるのか。 ○1996年に発表した「海の『守り人』論」においては、漁業権や地先権、慣習と総有の効力によって漁業者が市民とともに海を守り続けていく役割や責任と義務とその法的メカニズムをわかりやすく説いた。 ○本書は、このテーマをさらに、より具体的に発展させて、自主的・自治的に「地域住民」「地域社会」が築き上げるルール(ローカルルール)が、地域外から入域する市民的な利用にあたって一定の管理利用の秩序化に有効に機能するのだということを、実証研究によって解明、提起した。 ○地方分権化、経済社会・自然環境の持続的発展の課題をどのように現実的に解決していくのか、共有や総有、慣習と実定法規、現代社会経済が近代的発展の過程でかかえ込んできたさまざまな相克、矛盾を乗り越えるために、今、どのような一歩を踏み越えなければいけないのか。 ○共同漁業権水面に地元漁協が設定した「ダイビングスポット」の利用料=潜水利用料の法律的社会的経済的意味を考える事によって、現代がかかえている海や川や水辺という自然領域の所有と利用と管理の原初的な意義に迫った未知のジャンルの研究領域からの問題提起となっているであろう。 ○本書で提起した「ローカルルール」と慣習、漁業権、入会権、水利権と所有・共有概念の理解と実践的な応用によって、次のテーマとなる、海や海辺、川や湖沼域の水系をつなぐ、地域住民と市民(社会)との連携プレーによる実践的な「里海」利用が図られてくる展開を期待することができるかもしれない。 もう少し内容をしりたいというかたは↓ |
掲載内容(目次) T 論文集 第1章 佐竹五六 総論 (1)地先海面のレジャー利用をめぐる紛争と漁業法(書き下ろし) 一 問題の所在 二 「法」ないし「権利」の観念が持つ二つの側面 ――実定法上の権利と現実に人々の意識を支配し、行動を規律している 「社会的ルール」上の「権利」――
三 明治漁業法下における「実定法上の漁業権」と「生ける法上の漁業権」のギャップ 四 当面する課題と沿岸漁業を取り巻く社会的経済的環境 五 如何に対応すべきか
(2)書評―「海の『守り人』論」を読む ―浜本幸生著『共同漁業権論』を読んで
第2章 池田恒男 判例評釈 (1)共同漁業権を有する漁業協同組合が漁業権設定海域でダイビングするダイバーから半強制的に徴収する潜水料の法的根拠の有無(東京高 裁平8年10月28日判決―大瀬崎ダイビングスポット訴訟・東京高裁判決評釈) (2)共同漁業権を有する漁業協同組合が漁業権設定海域で潜水を楽しむダイバーから徴収する潜水料の法的根拠の有無(大瀬崎ダイビングスポット訴訟・上告審判決及び差戻し控訴審判決評釈)
第3章 田中克哲 マリンレジャーとローカルルール (1)マリンレジャーと漁業権 (2)大瀬崎のダイビングスポット訴訟事件
第4章 池俊介・有賀さつき 調査報告 伊豆半島大瀬崎におけるダイビング観光地の発展
T はじめに
第5章 上田不二夫 宮古島ダイビング事件訴訟 宮古島ダイビング事件と水産振興―海洋性レクリエーション事業への対応と漁業事業―
第6章 浜本幸生 補論 (1)渡船業者及びダイビング事業者と漁協との紛争にかかる判例 (2)漁業権消滅漁場の問題(1998年4月、講演用テキスト)
(A)漁業権消滅後の漁場に生じている事態
U 判決・資料集 (1)大瀬崎DS裁判―静岡地裁沼津支部判決(一審) (2)大瀬崎DS裁判―原告準備書面 (3)大瀬崎DS裁判―東京高等裁判所判決(控訴審) (4)大瀬崎DS裁判―最高裁 上告審上告理由書 (5)大瀬崎DS裁判―最高裁判決( 上告審) (6)大瀬崎DS裁判―東京高裁判決(差戻し 控訴審=結審) (7)沖縄 宮古島D裁判―那覇地裁平良支部仮処分決定(一次訴訟) (8)沖縄 宮古島D裁判―那覇地裁平良支部判決(二次訴訟) (9)沖縄 宮古島D裁判―福岡高裁那覇支部判決(二次訴訟控訴審) (10)沖縄 宮古島D裁判―最高裁判決(二次訴訟結審) (11)DS訴訟(大瀬崎・宮古島)と遊漁権確認訴訟事項年表
(1)なぜ「ローカルルール」なのか?―図1(「生ける法」の実態としての地域社会に形成される「ローカルルール」の模式図)・図2(地先海面の水面利用のパターン―「漁業的利用」「入会的利用」「市民的利用」の3分類) (2)ローカルルールの存在が法解釈に与える重みについて (3)「地先権」が無視された背景について (4)最高裁口頭弁論開催の意味について [事例―1]和歌山県すさみ町「すさみ漁協」―地先権の自主的開放により漁協が取り組んだDS事業 [事例―2]徳島県牟岐町地区―2漁協の共有漁業権水域でのDS利用水域が設定されている場合 [事例―3]岩手県洋野町宿戸―共同漁業権水域の限定「開放」による環境教育的利用の場合 [事例―4]東京都「お台場海浜公園」地先の環境教育的「ノリつくり」の意義について
○著者の現在所属 佐竹五六(さたけ・ごろく):現在、(社)全国遊漁船業協会会長理事。元水産庁長官(水産庁漁政部長、環境庁水質保全局長、農林水産省構造改善局長他歴任)。 池田恒男(いけだ・つねお):現在、龍谷大学法学部教授。元東京都立大学法学部教授。 上田不二夫(うえだ・ふじお):現在、沖縄大学法経学部教授。 田中克哲(たなか・かつのり):現在、ふるさと東京を考える実行委員会事務局長。漁業振興コンサルタント。元水産庁中央水産研究所。 池俊介(いけ・しゅんすけ):静岡大学教育学部教授 (4月から早稲田大学教授)。 山脇(旧姓有賀)さつき(やまわき〈ありが〉・さつき):静岡大学教育学部卒 、出版会社勤務。 浜本幸生(はまもと・ゆきお):故人・元水産庁漁業法制担当官(沿岸課課長補佐、遊漁対策室長他歴任) 中島 満(なかじま・みつる):フリーライター(漁業史研究家)・「季刊里海」編集同人 |
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序―『ローカルルールの研究』刊行にあたって 本書は、1995年から2000年にかけて静岡県沼津市の内浦漁協・大瀬崎ダイビング訴訟にかかる、地裁、高裁、最高裁の一連の判決等に対する、法律学者、弁護士、水産行政関係者、漁業団体職員等による勉強会をもとにそれぞれの専門ジャンルからの論文を収録し、判決ほか資料を付したものである。 この訴訟は、従来、もっぱら漁業の利用に供されていた沿岸海域をダイビングというレジャー利用に開放するにあたり、漁業権者である漁協が、その対価として徴収した金銭の効力をめぐって争われたものであり、同種の事業を営む沿岸漁協関係者、ダイバー等からは、その決着が注目されていたが、社会的に大きな反響を呼ぶということもなく、ジャーナリズムで大きく扱われたわけでもなかった。 行政サイドにおいても、例えば水産庁は、これに対して特段の行政的なアクションをとることはなかったのである。 このような社会的にさしたる話題とならなかった事件については、それも事件が決着してからかなりの時間が経過した現在、あえて、これに関する論文集を公刊する意義がどこにあるのか。水産行政関係者であった執筆者の一人として、所見をのべて序文としたい。 それは、この判決、すなわち、被告(=内浦漁協)敗訴の高裁判決を審理不尽として破棄差戻した最高裁判決、被告勝訴の判決を下した東京高裁判決は、その法律構成は別としても、地域社会に自主的に形成されたルールに対し、最高裁を頂点とするこの国の法の守人である司法機関が一定の配慮を示した、と理解しうるからである。 また、そのような結果をかちとるうえで、故・浜本幸生氏の畢生の大著『共同漁業権論―平成元年7月13日最高裁判決批判』が、一定の役割を果たしたのではないか、と密かに考えているからである。 先の、東京高裁判決のこのような読み方については、判決の法律構成――最高裁は、上告理由としてとりあげた旧慣に基づく漁業権(【判決資料集】上告理由第2)に応えず、きわめて法律技術的理由で審理不尽として高裁に差し戻している――を考えれば、先入観による「勝手読み」との法曹実務家からの批判も予想される。これに対しては、筆者の半世紀に近い行政経験に基づく判断として、現在、喫緊の行政課題として追求されている「小さな政府」の下において、安全で快適な地域の生活環境を実現するためには、このような自成的な地域社会のルールの機能が不可欠であり、地方自治体はもとより国の施策としてもこのような地域社会のルールに対して、一定の評価と配慮が不可欠であることを指摘したい。 土地・水・海面等の利用に関しては、おそらく人間社会の誕生とともに古くから、その利用者間において、地域的な自主的なルールが形成されてきたと考えられ、そのなかである種のルールは、現在なお実定法体系のうちに組み込まれ、一定の法的保護が明文上保障(林野入会権、建築協定等)されている。自主的な地域社会のルールは、さまざまな分野にさまざまな形で存在することを考えれば、その意義は単に水産沿岸海域利用にとどまらず、広く生活環境一般に係るさまざまなルールにも及ぶとともに、学問の観点からも法律学、政治学はもとより社会学、経済学、環境論等多様な領域の学問にかかわる問題である。 この小冊子が水面に投じられた小石となり、ささやかな波紋が広がることを願って序文としたい。 最後に、かねてより活ける法としての漁業法≠ノ関心を持ち、困難な出版事情の中『共同漁業権論』を上梓し、今回もまた関係者の間を飛び回って、専門外の読者には確かに難解なそれぞれの論文や判決の解読に役立てようという趣旨で「ダイビングスポット裁判検証―座談会」を立ち上げ、さらに本書の出版にこぎつけられた中島満氏の出版人としての見識に心から敬意を払いたい。――同座談会は、2006年 6月に本書に続けて発行される、雑誌『里海』SATOUMI-MAGAZINE(季刊06”創刊号)に掲載されており、本論文集の参考とされたい。 さたけ・ごろく[DS裁判研究会・著者代表] |
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