味探検 江戸前シリーズ 40(東京新聞1997年10月30日首都圏情報版「ゆめぽっけ」掲載) |
浦安・立花家(たちばなや) 小柱がプリプリッ、名物かき揚げ丼 |
「オレにはオレの味があるって、浦安の漁師の口にあった濃いめの独特の味を研究したんです。味さえ信用して
もらえば、口コミで客はつきます。ツル(つながり)ですよ」 |
「立花家」メモ 浦安市猫実4ノ18ノ12。地下鉄東西線浦安駅下車、駅前スクランブル交差点をジャノメミシン側に渡り宮前通り1本目左折50 先公民館手前の路地左折突き当たり。(電)047・351・2818。カウンター3席、テーブル12席。2階25席。営業時間昼11時30分〜1時30分。午後5時〜9時。定休・日曜日。 |
注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。 |
●取材メモ 三谷紀美著『浦安・海に抱かれた町』(筑摩書房。1995年刊)……僕は、その町をぶらぶらするとき、駅前の普通の本屋さんに立ち寄り「郷土の本ある」と聞いて、そのコーナーに置かれた地元の町紹介の本をチェックすることにしている。浦安駅の近くの本屋さんでふとめにしたこの本のサブタイトルが、「聞き書き 人と暮らし」とあり、目次を見て、浦安に昔から住んでいるいろいろな職業の人から、その仕事のこと、浦安のこと、戦前のこと、戦後のことなどを、聞き取りスタイルで記述してあった。ぼくじしんが、こういう手法の原稿を、よく書いているだけにすぐ購入した。紹介してる人の職業を揚げておこう。 ●「漁師」、「行商」、「魚屋」、「築地魚河岸」、「浦安魚市場」、「海苔仲買店」、「船宿」、「佃煮製造」、「船大工」、「漁師語り部」、「若い衆宿」、「浦安町役場」、「質屋」、「天麩羅割烹」、「寄席小屋」、「花街の女将」、「金魚養殖」、「ハスづくり」、「開業医」、「町誌編纂」、「浦安風景を描きつづけて」。いい本である。実は、浦安を味探検するときには、この本に大変にお世話になった。「立花家」も「さつまや」も、現主人のお父さんやお母さんを取材している。もっと何軒も記事にしたかったが、そうもいかないので、次回の楽しみに、図書館に出向き、その他の資料もしこたま仕入れてきた。浦安。興味の尽きない町である。 |
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味探検 江戸前シリーズ 41(東京新聞1997年11月6日首都圏情報版「ゆめぽっけ」掲載) |
浦安・焼蛤本舗 さつまや 香ばしさと絶妙な甘味、漁師町の風情満喫 |
浦安駅の南側に位置する猫実。ネコザネと読むが、地元の人にその名前の由来を聞いても「猫がたくさんいたから」という程度の答えしか返ってこない。堀江との間を流れる境川沿いを歩くと漁師町の風情を随所に発見することができる。 周辺をぶらぶらして駅の方に足を向けると、ぷーんと香ばしい香りが漂ってきた。「こいつはうまいものと出会えそうだ」と匂いの発生源を探す。「焼きはまぐり」の幟(のぼり)がたつ店内では、4面のガラス戸越しに串に刺したむき身の貝を焼いている。「おばあさんがかつぎやさんの元締めのように慕われておりましてな。自分でも行商しながら貝のむき身を串刺しにして焼いて売り歩いておったんですが、評判になりまして、この商売をはじめた」と3代目を継ぐ泉沢クニさん。 砂糖、醤油と味醂(みりん)だけというタレには、焼き貝のうまみが溶け込んで、「うちだけの味」になるという。1串アサリ30円、ハマグリは90円。あさ炊きしぐれアサリ100グラム365円。1串単位の他、1300円からの進物用詰め合わせもある。コゲとタレのかげんが絶妙の味を作り出す。こいつは脱帽ものだ。(中島 満) |
「さつまや」メモ 浦安市猫実4ノ16ノ24。地下鉄東西線浦安駅下車、駅前スクランブル交差点をジャノメミシン側に渡り宮前通りに入り200 公民館先の猫実第4郵便局の向かい。歩3分。(電)047・351・2806。営業時間前9時〜後7時。定休・月曜日。 |
●取材メモ 注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。 |
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