味探検 江戸前シリーズbP(東京新聞1997年1月30日首都圏情報パック掲載) 

羽田・さわだや

絶品!ハゼの卵巣塩辛

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 ハゼといえば釣りで楽しみ、船上で揚げて食べるテンプラがまたうまい。こんな江戸前のハゼを一年中味あわせてくれる店が羽田にある。多摩川と海老取川が交差するこのかいわいは、潮の香りがする漁師町の雰囲気を色濃く残している。

 「年を越して産卵したハゼは痩せて料理の対象にはならないんですが、いつでも食べたいお客さんの声にこたえて冬場の太ったハゼをストックするようになったんですよ」とご主人(沢田勉さん)。看板料理は、羽田沖でとれたハゼ、アナゴ、メゴチの天ぷら(各1000円)。ドーンとボリュームもあるから、ボサエビという小エビのかき揚げの入った天ぷら盛り合わせ(1000円)が全部味わえるおすすめメニューだ。他に、煮シャコ貝や刺し身におでんもある。

 もう一品他店では絶対に味わえない「隠しメニュー」がある。ハゼの卵巣を焼酎で洗い、塩と酒で漬け込んだ「塩辛」である。今年は多めに仕込んだというが、数量・期間限定の絶品珍味を一度は賞味してみたい。

 常連の漁師さんから漁の話を聞きながら江戸前の魚とお酒を気軽な値段で楽しめる。羽田七福神めぐりでもしてぶらっと寄ってみたくなる店である。(中島満)

 

「さわだや」メモ

大田区羽田4−22−8。京浜急行蒲田経由空港線「穴森稲荷駅」下車。駅前から穴森ふれあい通り徒歩3分、バス通りを左に曲がって数軒目。カウンター8席、座敷15席。電話=03-3744-7956。営業時間午後5時〜11時。定休月曜。

取材メモ  その後時々ハゼやギンポウのてんぷらを食いに出かけるが、数年前、大将が病気になり、健康は回復したものの、店は女将さんが切り盛りしている。ということで、タイトルの「ハゼ卵巣塩辛」は製造中止。残念無念だが、羽田の雰囲気や、ハゼやアナゴのテンプラだけでも客を呼べる店であることは変わりない。親父さんあんまり呑みすぎないで、身体大切にしてくださいね。(2003.12.12)

注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

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