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東京新聞「味探検」江戸前シリーズ1997年11月27日 首都圏情報ゆめぽっけ掲載

 44 築地 黒川(くろかわ) 

しゃきしゃき揚げる江戸っ子天ぷらだい!

 ハゼ釣りシーズンも終わり、年の瀬も迫るこれからが、実は大型ハゼが楽しめる季節。10月ごろまで河口や浅瀬にいたハゼは、11月ごろからは産卵準備に入るのか東京湾の深場に移動するところから「落ちハゼ」と呼ばれる。20センチ近い大型の刺し身にできるサイズとなり、天ぷらがうまい時期を迎える。

 型がいいから団扇(うちわ)のような尾や胸ヒレのラインの模様も美しく、しゃきっと奇麗に揚がる。「頭や中骨は2日ほど乾燥させカラ揚げにする」という黒川丈史さん。魚問屋が集まる築地6丁目の細路地に店を出して3年目という。

 店の隣は築地の老舗エビ問屋・海老の大丸。6、7人がエビの殻を剥きながらの「エビむき談議」に講じる風景はいかにも河岸ならではの雰囲気が漂う。

 ハゼ天ぷら(500円)もいいが、エビ屋さんから調達したての生きのいい活きクルマエビの天ぷら(1尾600円)がうまい(写真)。「12月になれば抱卵ワカサギが入る」という黒川さん。旬の魚の他、この店の特徴は各種の野菜天ぷら。千葉鴨川の農家から有機野菜を定期的に送ってもらっているという。ノリで巻いたホウレン草やブロッコリー、イタリアンパセリなど常に7、8種類がひと工夫されて味わえる。

 有機野菜天ぷら5種に旬の魚2種(アナゴ+ハゼなど)にホワイトエビ3本にご飯・汁の「お食事セット・萩」(2000円)が店主のお薦め。 

◆「てんぷら黒川」メモ

中央区築地6ノ21ノ8。地下鉄日比谷線築地駅下車、本願寺口を出て晴海通り4丁目交差点左折、6丁目交差点手前2本目の路地右折。歩3分。(電)03・3544・1988。カウンター5席テーブル8席。営業時間前9時−後2時、4時30分−8時(入店)。定休・日曜祭日。土曜予約のみ。

取材メモ:注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

 

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