味探検 江戸前シリーズ 31(東京新聞1997年8月28日首都圏情報版「ゆめぽっけ」掲載) 

築地・魚竹(うおたけ)

東京湾口、地ダコのあら塩焼き

 BACK(30・湯泉屋)|NEXT(32・酒楽)

 

 夏ダコ漁まっさかり。東京湾口浦賀水道の岸寄り観音崎から剣埼までの沿岸がタコの好漁場。横須賀東部漁協に所属する20軒ほどの漁師さんが、1軒あたり300個ほどのタコ壷でマダコをとる。どうしたわけか今年は例年に比べ3倍も大どれしているとのこと。
 「いまは久里浜の野比海岸沖合でとれたマダコがうまいよ」と魚竹の早川一男さん。カウンター13席のお店を弟の清忠さんとお母さんのふじさんと3人できりまわす。兄弟の包丁さばきもみごとだが、ふじさんが分担する厚焼き卵(700円)、肉じゃが(700円)や自慢の糠床からとりだすおしんこ(500円)のおふくろの味お目当ての客も多い。

 あら塩を軽くなじませさっと炙った「地だこあら塩焼き」(900円・写真)は夏の同店ベストワンにランクされる定番の味。「シンコで出していたんですが、型も大きくなってきたんで明日からはコハダ(600円・写真)に書き直さないと」と早川さん。ああ、魚の旬は日々移り、夏も終わりなんだなと実感する。
 「茶豆」(600円)ってなに?と聞くと、新潟や山形特産の枝豆のことという。ダダチャ豆という品種だそうで、最近の輸入冷凍品にくらべると、ずっと味が濃くむかしの懐かしい独特の香りがする。暑さの名残を惜しみながらダダチャでビールもまたよし。(中島満)

「魚竹」メモ

中央区築地1ノ9ノ1。営団地下鉄有楽町線新富町駅下車中央区役所出口を出て出口前の道を晴海通り方向築地警察署のある通りを渡ってすぐ左手。歩3分。日比谷線築地駅からも歩3分。(電)03・3541・0168。営業時間昼定食11時〜午後2時。夜午後5時〜10時。定休土・日曜、祝祭日。

取材メモ  注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

HOME  江戸前Index  下町A-BACK  居酒屋BACK

BACK(30・湯泉屋)|NEXT(32・酒楽)


send mail こちらまでどうぞ

copyright 2002〜2010,manabooks-m.nakajima 

uotake,madako,takoryouri,tukiji,edomae,takotuboryou,izakaya