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味探検 江戸前シリーズ 22(東京新聞1997年6月26日首都圏情報版「ゆめぽっけ」掲載) 

銀座・竹葉亭本店(ちくようていほんてん)

土用うなぎ、カンヌの感動食し候

 「初物には銭をけちるな」という江戸っ子の季節がまたまたやってきた。今年の夏はなにやら例年にないウナギブームを予感させる。干支の年にカンヌ映画祭大賞。空つゆに猛暑とくれば、2段、3段ロケットを背負っているようなものだ。
 木挽(こびき)町の鰻屋とくればこの店のことを指すのだと書いた本があった。こういう町名をどうして地図から消してしまうのだろう、などとぶつぶついいながら江戸の雰囲気をそのまま残した料亭街の角を曲がる。暖簾をくぐると、案の定くだんの映画ポスターがはってあった。幕末創業の竹葉亭6代目別府克己さん。「土用に近くなりますとふだんの倍、一日 60キロをさばく」という板場に案内していただく。
 その道50年という老舗最長老遠井好房さんの「炭に聞け」というひとことがきけただけですべて納得してしまった。
 定食(写真4000円)のかば焼きがのる皿は、陶工・宮永東山作(先代)の竹葉染め付けとのこと。この店のいちばんの人気が「鰻お丼(どんぶり)」(B・2500円)。ちなみにAが2000円。このほか幕の内弁当(2000円、3000円)がある。お水や付きはなれ・茶室や座敷でゆったりというかたは、予約コース(1万円から)で。一品のうち「うまき」(1500円)とはウナギを卵焼き巻のこと。(中島 満)

「竹葉亭本店」メモ

中央区銀座8−14−7。営団地下鉄東銀座下車、昭和通りを新橋方向に歩道橋の先中央市場方向に左折一本目右折右手。徒歩5分。(電)03-3542-0787。20席、予約座敷6部屋。営業時間昼11時30分〜2時30分。夜4時30〜8時ラストオーダー。定休日は日曜・祭日。

取材メモ  注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

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