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味探検 江戸前シリーズ 8(東京新聞1997年3月20日首都圏情報ゆめぽっけ掲載) 

浜松町・網長(あみちょう)

情緒ただよう屋形船

 もともと江戸前とは、西が江戸湾の羽田・品川沖から東は深川沖までを指していた。佃島も入れば、落語「芝浜」の10両入り財布をひろった芝もこの範囲に入る。「芝」の地名は、現在の浜松町駅あたり。JRの線路を、おおよその海岸線とみれば分かりやすい。
 その浜松町駅から京浜1号国道に出て左に歩くとすぐに金杉橋がある。この橋から下の川をのぞいてみる。そこには屋形船や現在でも操業しているアナゴ漁船が何隻もつながれている。都心のビルの谷間にうずもれて江戸の面影が、わずかだが残っている場所である。
 丸長次郎さんの屋形船もこの1隻だ。川に沿った道の向かいに丸さんが経営する天ぷら定食の店がある。親戚の漁船に乗る漁師であり、天ぷら屋、屋形船と3役をこなす。「平成に入ったころから屋形がブームになり、店は昼定食だけにして、屋形をおやじ(松雄さんは現役漁師)と始めた」と丸さん。
 昼食時は、すぐいっぱいになる。エビ、イカ、アナゴにかき揚げがしっかり入った天丼(800円)から、上天ぷら定食(1500円、写真)は、さらに江戸前キスに野菜天など魚介野菜8品が入った満腹コースだ。自慢の焼きノリもつく。
 屋形は1人1万円コースから。15人(夏場は20人・昼間はオフ期間なら10人)から貸し切りもできる。冷暖房完備の船内で、飲みかつ歌い一時の水上遊びを満喫できる。(中島満)

○「網長」メモ

 港区芝1ノ2ノ2。JR浜松町駅下車、徒歩5、6分。中央改札口から金杉橋方向出口を出て、線路に沿って200メートル、川に沿って右折、京浜1号線金杉橋を渡りすぐ左折100メートル右手。カウンター8席、座敷10席。(電)03・3451・2061。天ぷら定食は昼の11時半〜2時。土・日曜・祝日定休日。屋形船は要予約。

取材メモ  注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

詳細は、屋形船網長のホームページから確認してください。

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