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味探検 江戸前シリーズ 5(東京新聞1997年2月27日) 

品川区戸越銀座・花の川(はなのがわ)

珍魚ギンポの天ぷら

 「団塊世代の梁山泊(りょうざんぱく)」と常連客は呼ぶ。カウンターの中で、デーンと構える大将の工藤正春さんは、談論風発する客たちのさしずめ行事役といったところか。津軽出身の工藤さんが「サラリーマンのふところ具合にみあった安くてうまいものを」と、開店して17年。大将の人がらにひかれてか、「女性客1割引き」の心意気のためか、常連女性客も多い。
 「ギンポの天ぷら」(700円)。天ぷら通にはこたえられない江戸前ネタのギンポ。「これからが旬の魚だが、入荷が少なく、あるときに3枚におろしてストックしておく」そうだ。ギンポウ、銀宝とも書く白身の珍魚を一度は味わってはいかがだろう。

 アナゴなら「照り焼き」、「白焼き」(各700円)をすすめたい。この他、季節の魚貝刺し身、煮物、焼き物と豊富な総菜一品料理が揃っている。
 一杯飲んだ後の食事なら、「ウニ丼」(900円)が「原価無視」(工藤さん)の掛値なしのサービス品。醤油で色付けした鰹節のあっさり出し汁にたっぷりのウニ。好みで、どんぶりご飯にかけてもよし、ウニをワサビでおかずにして食べるのもよし。奥さん(民子さん)の手製ヌカ漬けが食欲を増してくれる。
 さらに、もう1品「花の川風カレーライス」(570円)はうまいのひとこと。カレーだけをつまみに注文する常連もいるほどだ。(中島満)

「花の川」メモ

品川区平塚2−16−3。東急池上線戸越銀座駅下車。五反田行きのホーム改札口を出てすぐ、ホームと平行する路地を入り数件目。駅から歩いて1分。カウンターのみ11席。電話03・3787・5529。午後5時頃〜10時30分頃。定休日は毎日曜・祭日。

取材メモ  注:記事内容は取材時のものです。現時点で価格・営業時間・経営内容等変更がある場合があることをご了承下さい。

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